2018 Fiscal Year Research-status Report
Predictive biomarker for prognosis of nontuberculous mycobacteria lung disease
Project/Area Number |
17K16067
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
藤田 浩平 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部, 研究員 (10790876)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 肺非結核性抗酸菌症 / 肺MAC症 / コレクチン / 抗菌ペプチド / ビタミンD / 骨密度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度も引き続いて国立病院機構京都医療センターにおいて肺非結核性抗酸菌症を疑う患者に対して気管支肺胞洗浄(BAL)を実施し、症例の集積を行った。現在患者群(肺非結核性抗酸菌症)25名および対照群(気管支拡張症)25名のBAL液、血清を保存している。 一方でpreliminary dataとして京大病院で収集した肺非結核性抗酸菌症患者のBAL、血清中の抗菌ペプチドおよび、血清ビタミンD値とCT画像から解析した骨密度との関連を解析した。この結果、肺非結核性抗酸菌症患者では、BMIと骨密度が対照群より有意に低下しており、血清中の抗菌ペプチド(LL-37)濃度と骨密度は血清ビタミンD値の濃度に関係なく低下していることが判明した。本来LL-37の分泌や骨密度にはビタミンDが密接に関連しているが、我々の研究結果から肺非結核性抗酸菌症患者においてはビタミンDとは独立した要因によって抗菌ペプチドと骨密度低下がもたらされることが示唆されることが判明した。我々はこの成果について論文発表を行った。1 1.Fujita K, et al. Medicine(Baltimore)2018;97(38):e12463
2019年度の前半は引き続き症例集積を行い、当初の目標である患者群30名、対照群30名の検体保存が可能になった時点で、抗菌ペプチド(LL-37)、コレクチン(SP-A, SP-Dなど)、血清ビタミンD値と病態形成の関連について解析を行う予定である。また追加でBAL液中のマイクロバイオーム解析を行い、肺非結核性抗酸菌症の発症、病態進展とBAL液中のマイクロバイオーム構成の関連を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度内に目標症例の8割まで検体保存が行えており、2019年度内には目標症例数に到達する予定である。また先行研究に関しては2018年度に論文化することができており、この先行論文を元に、コレクチン、抗菌ペプチド、ビタミンDなどの測定を行う見込みが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
必要検体数が揃った時点で目的の因子の測定、解析を行う予定である。また追加解析として近年注目されているマイクロバイオーム構成についても企業との共同研究において、気管支肺胞洗浄液を用いて追加解析を行う予定である。マイクロバイオーム構成の解析を行うことにより、肺非結核性抗酸菌症の発症、進展に新たな知見が加わることと思われる。
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Causes of Carryover |
本研究においてはコスト削減のため、目標検体数に到達した時点で一括してELISA等を用いた解析を行う方針とした。このため、当初は中間解析に用いる予定であった費用を次年度に繰り越している。
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