2018 Fiscal Year Annual Research Report
Understanding the mechanisms of hydroxypropyl-beta-cyclodextrin (HP-beta-CD) in mucosal adjuvanticity
Project/Area Number |
17K16068
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Research Institution | National Institutes of Biomedical Innovation, Health and Nutrition |
Principal Investigator |
日下部 峻斗 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ワクチン・アジュバント研究センター, プロジェクト研究員 (20794035)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 粘膜アジュバント / シクロデキストリン / アジュバント / インフルエンザワクチン / 粘膜免疫 / IL-33 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、ニードルフリーで注射型ワクチンよりも防御効果のあるとされるアジュバント添加の経鼻型ワクチンが注目されている。以前に我々は、マウスを用いてヒドロキシプロピル‐β‐シクロデキストリン(HP-b-CD)が粘膜アジュバントとして有用であることを見出した。そこで、本研究では新規粘膜アジュバントの開発に重要なアジュバント効果の分子メカニズムについて解明することにより、実用化に向けての理論基盤の構築をすることを目的とした。本年度は昨年度に引き続き種々の免疫関連遺伝子欠損マウスを用い、経鼻投与HP-b-CDのアジュバント効果について詳細な解析を行った。その結果、IL-33欠損マウスではアジュバント効果が消失したが、IL-33が属しているIL-1ファミリーの他のサイトカイン、もしくは上皮細胞が産生するTSLPなどのサイトカイン欠損マウスではアジュバント効果の消失が認められなかった。さらに、他のアジュバントであるコレラトキシンやアラムについてもアジュバント効果の消失が認められなかった。このことから、IL-33を介したアジュバント効果は経鼻のHP-b-CD特異的な反応であることがわかった。また、IL-33を認識し免疫を活性化している細胞についてフローサイトメトリーなどを用いて解析を行った。その結果、HP-b-CD経鼻投与後に局所組織において好酸球や2型自然リンパ球(ILC2)の一過的な細胞数の増加は認められたが、アジュバント効果に寄与してるかまでは断定できなかった。さらに感染モデルマウスを用いてアジュバント効果と感染防御効果の関連性を調べた。IL-33欠損もしくはヘテロマウスにアジュバントと共にインフルエンザワクチンを接種し感染させると、欠損マウスは死亡しヘテロ型のマウスは生存したことから、アジュバント効果だけでなく感染防御についてもIL-33が必須であるということがわかった。
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