2017 Fiscal Year Research-status Report
腎尿細管のマイトファジーの選択性を規定する分子機構の解明
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17K16082
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
南 聡 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00791592)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オートファジー / マイトファジー / 近位尿細管 / ミトコンドリア / 虚血再灌流 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)mitoQC マウス(GFP-mCherry-Fis1のトランスジェニックマウス[Fis1はミトコンドリアの構成因子])を用いた腎近位尿細管におけるマイトファジーの検証 本マウスはミトコンドリアがリソソームに取り込まれた時点で、酸性環境によりGFPの蛍光強度が消失し、mCherryの蛍光が残ることでマイトファジーの検出を可能にする。定常状態および、よりマイトファジーが亢進すると思われる虚血再灌流や高リン食負荷でマイトファジーが活発に起こっているかを検証した。mitoQC マウスの報告(McWilliams TG, et al.J Cell Biol. )と同様に、定常状態において(発生段階の心臓のほか)成獣の近位尿細管でマイトファジーが特に活発に起こっていることが判明した。また虚血再灌流や高リン食負荷においてそれが増強された。GFPの蛍光強度が弱く、mCherryの強度のみで判断しており、完全に理論通りではないことも判明した。現在この原因究明に取り掛かっている。
(2)虚血再灌流マウスの近位尿細管を用いたマイトファジー受容体の探索 腎虚血再灌流後マウスを安楽死させ、コラゲナーゼ・ヒアルロニダーゼ処理し、ビオチン化LTAとビオチン結合磁気ビーズを用いて近位尿細管を可能な限り純化した。得られた細胞溶解液をLC-3 抗体で免疫沈降し、質量分析により解析中である(これまでに報告されているマイトファジーの受容体はほぼすべてLC3 に結合することからこの方法を用いている)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
mitoQC マウスにおいては、GFP+mCherry(黄色:ミトコンドリア)とmCherryのみ(赤:リソソームに取り込まれたにミトコンドリア)が区別されるはずであるが、全体的にGFPの強度が弱く、理論通りの結果ではない。この点の究明にやや手間取っている。
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Strategy for Future Research Activity |
mitoQC マウスについてはGFPの発現量が少ないことが原因と考え、これを可視化する方策を練っている。本来の目的である(腎尿細管の)マイトファジー受容体同定に関してもmitoQC マウスによらない方法を考える。
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Causes of Carryover |
研究実績に記載したように、研究が予測通りの結果でない部分があり、その原因究明のため進捗が当初予定より遅れている。そのため次年度使用額が生じている。
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[Presentation] Autophagy protects kidney proximal tubules from phosphate-mediated mitochondrial dysfunction2018
Author(s)
Fujimura R, Yamamoto T, Takabatake Y, Minami S, Sakai S, Takahashi A, Namba-Hamano T, Matsuda J, Matsui I, Sakaguchi Y, Hamano T, Niimura F, Matsusaka T, Yoshimori T, Isaka Y.
Organizer
ISN Frontiers 2018
Int'l Joint Research