2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of pathophysiology and development of new treatment for lowe syndrome using patient-derived proximal tubular cells
Project/Area Number |
17K16087
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
南川 将吾 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10772634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Lowe syndrome / Dent disease 2 / urine-derived cell / OCRL activity |
Outline of Annual Research Achievements |
Dent病2型(D2)とLowe症候群(LS)の病態解明のため、まずは各疾患が疑われる患者の血液検体に対して次世代シークエンサーを用いて網羅的遺伝子解析を行い、遺伝学的に確定診断した。D2 14例、LS14例における遺伝学的特徴は、これまでの報告にもあるようにExon8以降のtruncating変異ではLSの表現型を呈し、Exon7以前のtruncating変異ではD2の表現型を示した。また、missense変異の中でも重症度に差異があることや、LS患者内でも重症度に大きく差を認めることが明らかとなった。D2とLSにおける表現型の差異の原因解明のため、近位尿細管細胞におけるOCRLのmRNA解析・蛋白発現レベル・OCRL活性の解析を目的として、両疾患患者の尿検体より尿中落下細胞の細胞株を作成し、RT-PCR・Western blotting・ELISA・遊離リン酸定量解析を行ったが、これらの結果では両疾患群の差異は明らかに出来なかった。尿中落下細胞はヘテロな細胞集団であることが一つの要因と考え、D2とLSを引き起こす遺伝子変異を組み込んだベクターをHela細胞に組み込んでOCRL発現量を解析した結果、D2とLSでOCRL発現量に明らかな差異(LSで低下)を認め、更に遊離リン酸定量による酵素活性解析でもLSはD2に比較して低下を認めた。また、Western blotting解析において、D2にアイソフォームを疑う蛋白の発現を確認したため、現在解析中である。尿中落下細胞を用いたナンセンスリードスルー治療では蛋白発現量・酵素活性にて改善を示すことは出来なかったが、これも尿中落下細胞のヘテロ性が影響した可能性がある。D2とLSの病態解明はこれら難病疾患の治療開発に必須の項目であり、今回の研究によって長年仮説に止まっていたアイソフォームの同定に大きく進展することが出来た。
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