2017 Fiscal Year Research-status Report
腎尿細管間質線維化におけるLTB4-BLT1シグナルの腎線維化作用機序の解明
Project/Area Number |
17K16093
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鎌田 真理子 北里大学, 医学部, 助教 (70525542)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | BLT1受容体 / 腎線維化 / マクロファージ / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスに一側尿管結紮(UUO)モデルを作製した。 ①UUO腎のLTB4含有量の測定では、コントロール群とUUO腎群(野生型(WT)、BLT1ノックアウト(BLT1(-/-)))に有意差がなく、検体採取の刺激でLTB4が産生された可能性が考えられた。LTB4産生の上位酵素である5-リポキシゲナーゼ阻害薬を投与後に検体採取を行い、再度測定を行う予定である。 ②UUO腎でのBLT1遺伝子発現細胞の種類の同定は、in situ hybridization 法を用いたフローサイトメーター(FACS)で、BLT1 mRNAと細胞表面マーカー(F4/80(在来性マクロファージ)、Ly6C(炎症性(M1)マクロファージ)、CD206(抗炎症性(M2)マクロファージ)の同時測定を行ったが、BLT1 mRNAを検出することができなかった。 ③骨髄由来 BLT1発現細胞の線維化促進因子の発現及び細胞外基質産生の有無の解析では、GFP陽性BLT1(-/-)マウスが作製出来ていない為、BLT1(-/-)→WT、WT→WTの骨髄移植を行った。その個体にUUO腎を作製し、7日目に腎臓を採取し、評価を行った。抗Type I collagen抗体陽性面性、抗S100A4抗体陽性細胞浸潤数は、WT→WT群に比べ、BLT1(-/-)→WT群では有意に(P<0.05)抑制された。 ④BLT1阻害薬の腎線維化抑制効果の解析では、BLT受容体拮抗薬のBIIL284をマウスにUUO作製後から粉餌に混ぜて投与し、7日目に腎臓を採取し、評価を行った。αSMA、Col1a1、TGF-βの遺伝子発現は、Vehicle群に比べ、BIIL284投与群で有意に(P<0.05)抑制された。また、抗type I collagen抗体の陽性面積もVehicle群に比べ、BIIL284投与群で有意に抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
UUO腎でのBLT1遺伝子を発現する細胞の種類を同定するために、in situ hybridization 法を用いたFACSで、BLT1 mRNAの測定を行ったが、BLT1 mRNAを検出することができなかった。今後は、組織切片でのBLT1 mRNAの検出を検討予定である。また、GFP陽性BLT1(-/-)マウスの作製もまだ行えていないため、やや遅れていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.BLT1(-/-)→WTの骨髄移植後のUUO腎では、WT→WTに比べ、線維化が抑制されたことから、LTB4-BLT1シグナルによる骨髄由来細胞の誘導数や誘導される細胞の種類、誘導後のLTB4-BLT1シグナルの作用が線維化促進に関わっていると考えられる。GFP陽性BLT1(-/-)とGFP陽性WTマウスの骨髄を移植後のWTマウスUUO腎を用いて、FACSでGFP、(F4/80(在来性マクロファージ)、 Ly6C(炎症性(M1)マクロファージ)、CD206(抗炎症性(M2)マクロファージ)、Type I collagenの発現割合を評価する。これにより、どのような骨髄由来細胞がLTB4-BLT1シグナルで誘導され、線維化促進に関わっているか検討する。 2.FACSでのBLT1陽性細胞のsortingが難しい為、WT、BLT1(-/-)マウスのUUO施行後の腎臓を用いて、マクロファージや線維芽細胞を単離し、LTB4 添加下で培養し、TGF-βやコラーゲンが蛋白レベルでも発現が亢進しているか、ELISA 又はウエスタンブロットで検討する。
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Causes of Carryover |
今年度、GFP陽性BLT1(-/-)マウスの作製が進まなかった為、次年度に助成金を繰り越す。
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