2018 Fiscal Year Research-status Report
腎尿細管間質線維化におけるLTB4-BLT1シグナルの腎線維化作用機序の解明
Project/Area Number |
17K16093
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鎌田 真理子 北里大学, 医学部, 助教 (70525542)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | BLT1受容体 / 腎間質線維化 / マクロファージ / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
LTB4-BLT1シグナルによる腎間質線維化の作用機序を明らかにする目的で、野生型とBLT1ノックアウトマウスに一側尿管結紮(UUO)モデルを作成し、研究を行っている。昨年度までに、①野生型マウスに、BLT1ノックアウトマウスの骨髄を移植したマウスのUUO腎では、抗Type I collagen抗体陽性面積は減少し、抗S100A4抗体陽性細胞浸潤数が減少し、腎間質線維化が抑制されることが分かった。②BLT1受容体拮抗薬の投与では、野生型UUO腎の抗Type I collagen抗体の陽性面積は減少し、αSMA、Col1a1、TGF-βの遺伝子発現は低下し、UUO腎の間質線維化が抑制されることが分かった。 本年度は、 ①野生型とBLT1ノックアウトマウスのUUO腎を用いて、抗Gr-1抗体陽性細胞(好中球)浸潤数やGr-1遺伝子発現、CD3(T細胞)遺伝子発現の評価を行ったが、2群に経時的な有意差は認められなかった。 ②野生型マウスに、BLT1ノックアウトマウスの骨髄を移植したマウスのUUO腎を用いて、抗F4/80抗体陽性細胞(マクロファージ)浸潤数やF4/80遺伝子発現の評価を行ったところ、コントロール群と比較して共に有意な減少を認めた。抗Gr-1抗体陽性細胞(好中球)浸潤やGr-1遺伝子発現の評価も行ったが、コントロール群と比較して、有意差は認められなかった。 以上のことから、LTB4-BLT1シグナルの腎間質線維化の作用機序には、マクロファージと線維芽細胞が関わっている可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、BLT1受容体陽性マクロファージや線維芽細胞が腎線維化へ関与していると考えており、BLT1受容体の同定に、昨年度はin situ hybridization 法を用いたフローサイトメーターを使用し、本年度は複数の抗体にてBLT1受容体の同定を試みたが難渋している。
|
Strategy for Future Research Activity |
BLT1受容体の同定に難渋しているため、BLT1受容体の同定を行わずに、M1・M2マクロファージの割合の検討を行う事を予定している。また、BLT1受容体拮抗薬を用いた細胞実験を検討している。
|
Causes of Carryover |
GFP陽性BLT1ノックアウトマウスの作成が行えておらず予算を繰り越しているが、次年度に細胞実験を行うことで使用する予定である。
|
-
[Journal Article] Role of the high-affinity leukotriene B4 receptor signaling in fibrosis after unilateral ureteral obstruction in mice.2019
Author(s)
Kamata M, Amano H, Ito Y, Fujita T, Otaka F, Hosono K, Kamata K, Takeuchi Y, Yokomizo T, Shimizu T, Majima M.
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 14
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access