2021 Fiscal Year Research-status Report
腎尿細管間質線維化におけるLTB4-BLT1シグナルの腎線維化作用機序の解明
Project/Area Number |
17K16093
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
鎌田 真理子 北里大学, 医学部, 講師 (70525542)
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Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | BLT1受容体 / 腎間質線維化 / マクロファージ / 線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
慢性腎不全では原因疾患にかかわらず、尿細管間質の線維化が腎機能と良く相関する事が知られている。腎間質線維化モデルの一側尿管結紮(UUO)モデルでは、尿細管内圧上昇により障害を受けた尿細管上皮からサイトカインが産生され、マクロファージやT細胞などの炎症性細胞や線維芽細胞が活性化され、尿細管間質の線維化が進行する。ロイコトリエン(LT)は、5-リポキシゲナーゼ依存性にアラキドン酸から合成される生理活性物質で、炎症やアレルギーの過程において炎症細胞を活性化したり、炎症組織に誘導したりするが、ロイコトリエン(LT)B4受容体1(BLT1)欠損マウスにUUO モデルを作成すると、野生型に比して、線維芽細胞・マクロファージの浸潤数が減少し、腎線維化が抑制されたため、(UUO)モデルにおいては、ロイコトリエン(LT)B4は過剰な炎症を惹起している可能性も示唆される。本研究では、雄性8週齢野生型マウスにUUO作成後からBLT1拮抗薬を経口投与し、一定期間後に腎臓を採取・評価を行い、BLT1拮抗薬が腎臓の線維化抑制に有効な新規治療薬となる可能性があるか否かを検討する。 今年度は、マウスUUO腎のLTB4含有量の評価、UUO腎でのLTB4受容体1の発現細胞の同定、BLT1拮抗薬投与によりどのサブタイプのマクロファージの浸潤が減少するかなどの実験を予定していたが、研究室の体制が変わり、実験を開始するまでに時間が掛かったり、コロナの影響で海外からの試薬の調達が遅れたり、結果を出す事が出来なかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
留学に伴い実験を中断し、21年6月より再開とした為に実験の立ち上げが必要であったが、研究室の体制が変わり、実験を開始するまでに時間が掛かったり、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により海外からの試薬の調達が遅れたり、結果を出す事が出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
BLT1受容体拮抗薬の量も十分確保出来、実験が開始出来ているので、順次実験を行っていく。また、尿細管の再生能力にもLTB4-BLT1シグナルの作用があるか、検討を行う。
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Causes of Carryover |
留学に伴い実験を中断した為に実験再開まで時間がかかったが、現在は実験を再開出来ている為、2021年度に予定した実験を順次行う予定である。
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