2017 Fiscal Year Research-status Report
薬剤誘導細胞除去システムを用いた新たな腎再生技術の開発とiPS細胞への応用
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17K16102
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山中 修一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80775544)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 前駆細胞 / iPS細胞 / 腎臓再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
機能を持った腎臓再生をめざし、異種胎仔の腎発生領域を再生の足場とすることを戦略としている。マウス胎生13日目の腎発生領域に腎臓幹細胞となるネフロン前駆細胞を移植することが可能である。そこでネフロン前駆細胞の特異的な転写因子Six2を発現する細胞だけを除去可能なトランスジェニックマウスを用いることで、移植ホスト側のネフロン前駆細胞だけを除去し、同時に移植ドナー側のネフロン前駆細胞を効率的に定着させ入れ換えることに成功した。このネフロン前駆細胞置換法で外来由来のネフロン前駆細胞から新たなネフロンの分化・再生が可能であることを示した。この手法は異種間でも可能であり、マウスの腎発生環境にラットのネフロン前駆細胞を移植し、ラットのネフロン再生が可能であった。今回の成果はNat Commun. 2017 Nov 23;8(1):1719.に論文発表した。この手法の開発によって、胎仔腎臓を成獣の後腹膜へ移植することで生体内で発育させい、血管の統合とともに尿を産生する既存の手法に繋げることが可能となった。実際にマウスの胎仔腎臓内を足場に外来性のネフロン前駆細胞を移植し、その胎仔腎臓を成獣へ移植し尿の産生が可能であることがわかった。これらの技術を用い、ヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞をin vitroで誘導し、誘導ネフロン前駆細胞の移植および分化についての検討を行っている。誘導細胞はマウス胎仔の腎発生領域へ移植が可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在ヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞を誘導し、ネフロン前駆細胞置換が可能なトランスジェニックマウスへの移植実験を行っている。進展はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトiPS細胞からネフロン前駆細胞を誘導法のさらなる効率的な手法の検討も行っている。また、前駆細胞の再生効率向上のための改変技術も検討している。ヒトiPS細胞から尿産生を示すために、再生腎の齧歯類成獣への移植も行う。
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Causes of Carryover |
早期に結果が出たことで動物実験の試行回数が減少し、購入費用が減少したため。本年度の研究計画に加え、追加の抗体購入費用などで使用予定である。
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Research Products
(6 results)