2018 Fiscal Year Research-status Report
Role of Polycomb potentiates in acute kidney disease
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17K16103
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
市川 大介 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70750157)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 急性腎障害 / 虚血耐性 / ポリコームグループタンパク質 / 腎保護作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の増加、医療技術の進歩により、医原性の急性腎障害(AKI)の発症頻度が、世界的に増加している。しかし、AKIの治療法は、十分に確立していない。腎臓は、一度虚血刺激を受けると、虚血耐性を獲得し、2度目の虚血に対し抵抗性を示す。本研究では、腎臓が虚血耐性を獲得する機序に、エピジェネティックメディエーターとしてのポリコームグループタンパク質(PRC1構成蛋白 Bmi1およびSCMH1)が重要であることを明らかにする。 平成29年度は、in vivoの系で、Bmi1およびSCMH1の発現を検討した。その結果、腎臓におけるBmi1およびSCMH1の遺伝子発現は、1回目虚血1日後では、発現に変化を認めなかったが、1回目虚血20日後で有意に増加し、2回目虚血後も高値のまま維持された。さらに、1匹のマウスではあるが、1回目の虚血20日後の腎を使用し、Chip-qPCRを行い、Bmi1およびSCMH1の転写調節にヒストンアセチル化(H314Ac)が関与していることを確認した。 平成30年度は、近位尿細管細胞を使用し、siRNAによりBmi1およびSCMH1の発現を低下させ、0.2%の低酸素下で24時間培養を行った。その結果、細胞障害のマーカーであるLDHの産生がSCMH1の発現を抑制した場合にのみ、有意に増加した。 平成31年度は、さらに別の障害指標(MTTassay, アネキシンV)について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成30年度は、近位尿細管細胞を使用し、低酸素状態におけるポリコームグループタンパク質の腎保護作用を検討する予定で、低酸素濃度培養用CO2インキュベーターを購入した。しかし、当初予定していた1%低酸素では、十分な細胞障害を惹起できなかった。そのため、現在、簡易式の0.2%低酸素ポーチを購入し、検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
近位尿細管細胞の培地および0.2%低酸素濃度培養用ポーチを購入し、in vitroの系において、SCMH1およびBmi1が低酸素障害に抵抗性を示すことを明らかにする。 ①近位尿細管細胞に、SCMH1およびBmi1に対してのsiRNAを添加し、SCMH1およびBmi1の発現を抑制した状態にする。 ②翌日、近位尿細管細胞を、0.2%低酸素濃度培養用ポーチに24時間入れる。 ③その後、低酸素ポーチより出し、細胞が低酸素耐性を獲得することをMTTアッセイ、アネキシンVで評価する。
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Research Products
(1 results)