2017 Fiscal Year Research-status Report
電位依存性カルシウムチャネル関連疾患の分子病態基盤の解明
Project/Area Number |
17K16128
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
國井 美紗子 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80725200)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | CACNA1G / てんかん / 発達障害 / パッチクランプ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はWest症候群およびRett症候群様の発達障害、てんかんなどを呈した患者より、T型VGCCであるCaV3.1をコードするCACNA1Gのde novo変異を4種類同定している。野生型および各変異型についてCaV3.1とマーカーであるDsRedを同じmRNAから別々に発現するベクター(pIRES2 DsRed_Express2を使用)を作成した。そのベクターを用いMutagenesis kitにより野生型および各変異型CACNA1GをHEK293細胞に発現させた。蛍光顕微鏡下でDsRedの発現を目視で確認することで野生型および各変異型CACNA1Gを発現しているHEK293細胞を同定し、ホールセル法にてパッチクランプ法を行っている。-100mVで電圧を固定し、そこから10mVずつ電圧を変化させていった際のCaイオンによる内向き電流を測定しI-V曲線を作成した。現在、4種類のうち2種類の変異においては、野生型と比較し有意に高電位で活性化する性質があることがわかってきている。さらに、一種類の変異においては逆に低電位で活性化する傾向が見られている。引き続き測定データを蓄積し、解析をすすめている。また、I-V曲線のみではなく、チャネルの開口割合やチャネル開閉の時定数などのパラメーターについても測定プロトコールを作成しており、さらなる電気生理学的な特徴を解析中である。4人の患者の臨床症状はそれぞれ異なっており、臨床データの解析も並行してすすめている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CACNA1Gの各変異のベクター作成や培養細胞でのCACNA1G発現の系は計画通り進んだ。パッチクランプ法の測定プロトコールも問題なく作成・使用ができており、今後さらにデータの蓄積と解析をすすめていくことができる状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
測定細胞数をさらに増やし、データの信頼性を上げる。また、当初の計画通り抗てんかん薬などの薬剤を添加することで機能に変化が起こるかどうかも検討する予定である。
|
Causes of Carryover |
次年度においても細胞培養物品、パッチクランプ材料費、細胞の発現確認のための抗体費用や免疫染色試薬に費用が必要である。また次年度はスクリーニング用各種薬剤や研究成果発表のための旅費、論文投稿に関わる費用などが必要となる。以上より、次年度使用額が生じる。
|
-
-
[Journal Article] Cerebellar ataxia-dominant phenotype in patients with ERCC4 mutations2018
Author(s)
Doi H, Koyano S, Miyatake S, Nakajima S, Nakazawa Y, Kunii M, Tomita-Katsumoto A, Oda K, Yamaguchi Y, Fukai R, Ikeda S, Kato R, Ogata K, Kubota S, Hayashi N, Takahashi K, Tada M, Tanaka K, Nakashima M, Tsurusaki Y, Miyake N, Saitsu H, Ogi T, Aihara M, Takeuchi H, Matsumoto N, Tanaka F
-
Journal Title
Journal of Human Genetics
Volume: 63
Pages: 417~423
DOI
-
-
-
[Presentation] Genetic analysis of adult leukoencephalopathy patients using whole exon sequencing2017
Author(s)
M. Kunii, H. Doi, S. Kubota, S. Hashiguchi, N. Hirama, Y. Ogawa, K. Takahashi, K. Tanaka, M. Tada, H. Takeuchi, S. Koyano, N. Matsumoto, F. Tanaka
Organizer
XXIII World Congress of Neurology
Int'l Joint Research
-
-