2017 Fiscal Year Research-status Report
腸管グルカゴンの機能及び糖新生器官としての腸管の役割の解明
Project/Area Number |
17K16137
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
柳町 剛司 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (20596275)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | グルカゴン |
Outline of Annual Research Achievements |
膵及び膵外グルカゴンの発現の確認に、プログルカゴン遺伝子のプロモーター下に蛍光蛋白Venus(YFP)を発現するマウス(mGlu Venusマウス)を用いた。 膵外グルカゴンが存在する臓器として、プログルカゴン遺伝子が多く発現している腸管に着目した。正常耐糖能mGlu Venusマウスから胃、十二指腸及び小腸を摘出した。蛍光顕微鏡下で十二指腸及び小腸にはYFP陽性細胞が発現していることを確認できたが、胃にはほとんど発現が確認されなかった。対照群として用いたC57BL/6マウスの腸管ではYFPの発現を確認できなかった。mGlu Venusマウスから摘出した小腸をコラゲナーゼで処理した後、懸濁液をセルストレーナーで濾過し、腸上皮細胞を採取した。採取した腸上皮細胞をフローサイトメトリーで解析し、蛍光顕微鏡で確認したYFP陽性細胞が自家蛍光ではなく、腸管に存在していることが確認された。今後フローサイトメトリーで解析したYFP陽性細胞を回収し、発現しているタンパクを解析する予定である。 膵においても正常耐糖能のmGlu Venusマウス及びC57BL/6マウスから摘出し、蛍光顕微鏡下でYFP陽性細胞がmGlu Venusマウスの膵に発現していることを確認している。開腹したマウスの総胆管からコラゲナーゼを注入し、膵全体にコラゲナーゼを行き渡らせた後に摘出した。摘出した膵をインキュベーション後ピペットで懸濁し、懸濁液から膵島を顕微鏡下で回収した。更に回収した単離膵島からYFP陽性細胞を特異的に回収するため、単離膵島をEGTAで処理し、YFP陽性細胞を回収した。今後膵のYFP陽性細胞についてもフローサイトメトリーで解析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
腸上皮細胞及び膵島単離に伴う手技が今回初めて行うものであったため、手技の習熟度が低く、当初の予定よりも進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
正常耐糖能マウスにおいての解析が終了後、糖尿病モデルマウスにおいても同様に順次行っていく予定である。解析を進めていくにあたって手技の習熟が必須であるため、技術の習得が不十分である場合は、熟練者が在籍している他施設での研修も予定する。
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Causes of Carryover |
当初の予定より進捗状況に遅れがみられているため、当該助成金が発生した。今後は今年度解析を行っていなかったRNA抽出、遺伝子発現の解析や糖尿病モデルマウスの購入等にも新たに費用を使用する予定である。
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