2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16145
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
一條 昌志 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (50436854)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 糖尿病 / β細胞 / インスリン / プロスタシン |
Outline of Annual Research Achievements |
膵β細胞特異的プロスタシンKOマウス(βKO)においては、グルコース負荷試験において血糖値が有意に高いことがわれわれの研究において認められていることから、インスリン分泌にプロスタシンが関与していると考えられ検討を行った。 また、マウス膵β細胞下部(MIN6)において、shRNAを用いてプロスタシンをノックダウンし、カルシウムイメージング法を行ったところ高グルコース濃度下におけるCa influxの低下を認めた。以上から、膵β細胞でのプロスタシンの役割として、Caチャネルの制御に関わっていることが予想される。また、プロスタシンノックダウンMIN6において、これまでインスリン分泌顆粒の開放出に必要なSNAREの発現が低下していることを認めていた。マウス膵β細胞での免疫電顕を行ったところ、プロスタシンがインスリン分泌顆粒膜状に発現していおり、SNARE蛋白とプロスタシンが関連していることが示唆された。 SNARE蛋白によってCaチャネルが制御されている(Mol Biol cell. 2016)ことも報告されており、膵β細胞においてプロスタシンは、SNARE蛋白の発現制御することでインスリン分泌を促進することが推察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロスタシンがβ細胞において、Caチャネル、SNARE蛋白の制御に関与することがわかり、そのメカニズムの解析を進めている状況であり、概ね順調に進展していると考える。一方で、2型糖尿病患者とプロスタシンの関係において検討が進められていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
プロスタシンがSNARE蛋白に関与することがこれまでの研究結果から示唆されている。一方で、既報においてまたSNARE complexの形成に作用するcollectrinが、プロテアーゼにより切断されることが報告されており(Cell Metab.2011)、セリンプロテアーゼの一つであるプロスタシンにおいても切断することが予備実験において推察される。collectrinにおける切断部位の同定を今後進めてゆく。 また、膵β細胞特異的プロスタシン過剰発現マウス(作成済み)を用いて、インスリン分泌が促進するかどうかIPGTT、IVGTTを用いて検討する。同実験において、SNARE蛋白の発現量の変化についても検討を進めてゆく予定である。
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