2020 Fiscal Year Annual Research Report
Making the new mathematical model of the regulation of glucose homeostasis under the condition of non-physiological urinary glucose excretion after sodium-glucose cotransporter 2 inhibition
Project/Area Number |
17K16148
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中村 友昭 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (60784006)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 2型糖尿病 / 数理モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、SGLT2阻害薬による非生理的範囲の尿糖排泄という要因を含んだ新規な糖代謝制御に関する数理モデルを構築することを目的とする。 数理モデル構築に用いるデータは100名からの収集を予定していたが、研究対象者の変更、研究立案段階では未発売であった除外基準にあたる製剤の臨床使用が広まったこと、正常血糖高インスリンクランプに用いる機器の不具合、新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、最終的には68名からデータが得られた。 我々が以前に報告した血糖・インスリンモデルに尿糖排泄フラックスを加えた新規モデルを設定し、収集したデータと既に収集済みのSGLT2阻害薬非服用者のデータをモデルに代入し、各流束のパラメータを決定した。そして、パラメータ間及びSGLT2阻害薬を服用・非服用者間のパラメータの関係を検討した。 SGLT2阻害薬服用群における各パラメータの関係を検討すると、興味深いことに、モデルの構造やデータの母集団が異なるにも関わらず、我々が以前に報告したように生体からのインスリン消失速度(インスリンクリアランス)を表すパラメータと、インスリン感受性と分泌能の積で表される糖処理能の指標(Disposition index)との間に高い正の相関関係を認めた(r=0.77)。さらに、SGLT2阻害薬非服用者群のデータを含めてパラメータの主成分分析を行ったところ、SGLT2阻害薬服用群と非服用群を最も強く区別するパラメータは糖新生の強さであることが分かった。このことはSGLT2阻害薬服用者の肝臓において糖新生が亢進するという先行報告と一致する。今後は、グルカゴンやCペプチドを変数として組み込んだ発展的な数理モデルを構築し、SGLT2阻害薬の作用機序の分子メカニズムを明らかにしていく予定である。
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Research Products
(2 results)