2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of pathophysiological roles of endothelial PDK1 on glucose metabolism and pancreatic beta cells
Project/Area Number |
17K16157
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
小畑 淳史 川崎医科大学, 医学部, 助教 (10771298)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PDK1 / 血管内皮 / インスリン抵抗性 / 骨格筋 / 膵β細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
VEPDK1KOマウスでは12週齢において腹腔内ぶどう糖負荷試験を施行すると、コントロールと比較し、血糖値には違いがないが、インスリン値は低値であった。また、経口ぶどう糖負荷試験を施行すると、15分値で有意にVEPDK1KOマウスは耐糖能が増悪しており、インスリン値も低値であった。これらの結果からインクレチンホルモンの感受性に違いがあると仮定して、Ex-4を前投与した後に腹腔内ぶどう糖負荷試験を施行したところ、VEPDK1KOマウスの耐糖能は有意に増悪していた。さらにEx-4を添加したGSISではインスリン分泌の差はより顕著となった。膵臓の血流を評価したところ、血圧には変化がないものの、KOマウスで有意に血流は低下しており、膵島内CD31陽性面積は有意にKOマウスで低下していた。Pimonidazole染色ではpimonidazole陽性β細胞の割合は有意にKOマウスで増加していた。TUNEL染色、Ki67染色の結果、KOマウスでは有意にapoptosisが増加し、増殖は低下していた。単離膵島のmRNAを評価したところ、虚血にかかわるhif1αを始めとするその下流遺伝子は、vegfaを含め有意に上昇していた。さらに興味深いことにIns1,Ins2, MafA, PDX-1, GLP1-receptorなど膵β細胞機能において重要な遺伝子発現がKOマウスで有意に低下していた。ER stressに関するapoptotic geneであるtrb3,ddit3,atf3は有意にKOマウスで発現が増加していた。また、炎症性サイトカインであるiL-1β、TNF-αなども増加していた。これらの結果から、血管内皮PDK1は膵臓・膵β細胞の血流を保持することで、ER stress, 炎症性サイトカインなどからβ細胞を保護することで、膵β細胞量、機能を維持していることが判明した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H29年に計画していたdb/dbバックグラウンドを有する血管内皮特異的PDK1欠損マウスは、生まれる確率からも研究時間が掛かっている。こちらは想定内として研究計画を立案しており、H30年に施行予定であった、血管内皮PDK1が膵β細胞に及ぼす影響について同時に研究を行うことで、成果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在順調に経過している血管内皮PDK1の膵β細胞に及ぼす影響の解明を優先的に行っていく。さらに、db/dbバックグラウンドの血管内皮特異的PDK1欠損マウスについては、出生確率が低いものの、生まれてきた個体について当初の予定通りの解析を行っていく。
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Research Products
(4 results)