2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16160
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐久間 一基 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70791721)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ACTH / 褐色細胞腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
異所性ACTH産生症候群は、下垂体以外の組織から発生した腫瘍がACTHを産生・分泌し、過剰分泌されたACTHによってクッシング様徴候を呈する症候群であるが、腫瘍におけるACTH自律分泌獲得の分子機構は十分には明らかにされていない。本研究の目的は、褐色細胞腫でのACTH自律分泌能獲得におけるメチル化制御異常と神経発生分化制御システムの役割を解明することにある。異所性ACTH産生褐色細胞腫の腫瘍組織では、ACTH前駆体であるPOMCのpromoter領域の低メチル化が確認されている。褐色細胞腫の25%が遺伝性であり、遺伝子変異が褐色細胞腫の臨床病型を規定する重要な因子と考えられており、ACTH産生褐色細胞腫の腫瘍組織を用いたエクソーム解析を行い、DNAメチル化制御異常を引き起こすエピジェネティック制御遺伝子変異の有無を評価したが、同定されなかった。次に、脱メチル化によるPOMC発現への影響を評価するために、クロム親和性細胞由来の腫瘍である神経芽細胞株IMR32を用いて、脱メチル化剤デシタビン投与を行い、パイロシークエンスによるPOMC promoterのメチル化定量と遺伝子発現解析を施行した。POMC promoter領域が脱メチル化したサンプルでは、POMC mRNA発現の上昇を認め、更に興味深いことに異所性ACTH産生褐色細胞腫の腫瘍組織を用いたRNA-sequencingの解析から、着目した神経発生制御に関わる転写因子が、デシタビン添加によりPOMCの発現誘導された際に発現上昇を認め、POMC発現制御に関わることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経発生制御システムがPOMC発現に関与が示唆され、現在同定した転写因子のノックダウン、過剰発現によるPOMC遺伝子発現解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
①CRISPR/Cas9系を応用した標的ゲノム局所の脱メチル化法とパイロシークエンスを用いたDNAメチル化定量を組み合わせてPOMC発現制御調節関わる脱メチル化部位を同定する。 ②ACTH産生褐色細胞腫の腫瘍組織を用いたRNA-sequensing解析から、POMC発現制御の上流に神経発生分化制御システムに関わる転写因子の関与を示す知見を得ていることから、神経発生分化制御システムに関わる転写因子のPOMC promoter領域へのリクルートメント評価と新たな結合蛋白質の探索を行う。
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Causes of Carryover |
成果報告のための学会の旅費を計上したが、使用しなかった。次年度の旅費に使用を計画している。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Prednisolone-responsive Postpartum IgG4-related Hypophysitis2018
Author(s)
Koide H, Shiga A, Komai E, Yamato A, Fujimoto M, Tamura A, Kono T, Nakayama A, Takiguchi1 T, Higuchi S, Sakuma I, Nagano H, Hashimoto N, Suzuki S, Takeda Y, Shibuya M, Nishioka H, Yamada S, Inoshita N, Ishiwatari N, Horiguchi K, Yokote K, Tanaka T.
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Journal Title
Intern Med
Volume: 57
Pages: 367~375
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] セリチニブ投与後に血糖コントロール悪化を認めた2型糖尿病の1例2017
Author(s)
佐久間一基、石田 晶子, 吉井 聡美, 出口 ハンナ, 大和 梓, 藤本 真徳, 田村 愛, 駒井 絵里, 河野 貴史, 永野 秀和, 小出 尚史, 田中 知明, 横手 幸太郎
Organizer
第27回臨床内分泌代謝Update
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[Presentation] FBPase欠損症の成人例で同定されたFBP1新規変異とその機能解析2017
Author(s)
佐久間一基、藤本 真徳, 大和 梓, 田村 愛, 駒井 絵里, 志賀 明菜, 河野 貴史, 中山 哲俊, 永野 秀和, 鈴木 佐和子, 小出 尚史, 田中 知明, 横手 幸太郎
Organizer
第60回日本糖尿病学会年次学術集会