2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of B-cell transcription factors for the development of primary effusion lymphoma
Project/Area Number |
17K16188
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
後藤 裕樹 熊本大学, エイズ学研究センター, 厚労科研研究員 (20734495)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 悪性リンパ腫 / 転写因子 / ウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
カポジ肉腫ウイルス(KSHV)を原因とする原発性滲出性リンパ腫(PEL)では、従来の化学療法に抵抗性で予後が不良であり、治療開発のための病態解明が望まれている。我々はこれまでin vitro及びモデルマウスの系を解析することにより、PELにおける治療抵抗性シグナルの解析及び治療開発の基礎研究を行ってきた。これらの成果及び過去の報告から、種々の標的遺伝子を制御しうる転写因子の発現低下にその発がん原因がある可能性に着目した。本研究では、in vitro及びin vivoでB細胞転写因子の発現を薬剤誘導性に回復させることで、(1)リンパ腫細胞の腫瘍制御機構、(2)ウイルス潜伏感染のメカニズム、(3)治療応用を目指した基礎研究を行い、新たな治療薬開発の分子基盤につなげる。PELで抑制されていたPU.1、PAX5の発現を回復させたところ、リンパ腫細胞の増殖抑制作用を有することがin vitro及びin vivoの系で明らかとなった。マイクロアレイ解析を行ったところ、PU.1はアポトーシスに関わる遺伝子を活性化することで細胞死を誘導し、PAX5は細胞周期に関わる遺伝子を抑制することで、それぞれ抗腫瘍作用を認めていた。PU.1は、ウイルスの潜伏感染から溶解感染に関わる転写因子RTAのmRNAを上昇させていたが、PAX5によるRTA mRNAの変化は軽微であった。以上より、PELにおいて、B細胞転写因子のうち、PU.1、PAX5が、がん抑制遺伝子として機能しうるとともに、これらの遺伝子を活性化させることが新たな治療戦略として考えられることが明らかとなった。
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[Journal Article] Loss of Mob1a/b in mice results in chondrodysplasia due to YAP1/TAZ-TEAD-dependent repression of SOX9.2018
Author(s)
Goto H, Nishio M, To Y, Oishi T, Miyachi Y, Maehama T, Nishina H, Akiyama H, Mak TW, Makii Y, Saito T, Yasoda A, Tsumaki N, Suzuki A.
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Journal Title
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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