2018 Fiscal Year Research-status Report
新規ドラバー遺伝子変異の同定とその機能解析による骨髄増殖性腫瘍の新規治療法の開発
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17K16195
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
今井 美沙 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50709003)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | triple-negative MPN / 骨髄増殖性腫瘍 / 造血器腫瘍 / 全エクソン配列解析 / ドライバー遺伝子変異 / サイトカイン非依存性増殖 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィラデルフィア染色体陰性の骨髄増殖性腫瘍(以下MPNと略する)は、造血幹細胞レベルに体細胞変異が生じることで引き起こされる造血器の腫瘍である。MPNを引き起こすドライバー遺伝子変異として、JAK2、MPL、CALR変異が同定されているが、これらの遺伝子変異の検出されないtriple-negative症例が存在しており、その一部は予後不良との報告がある。これまでに、申請者の所属する研究室では、MPN疑い1804症例における、JAK2変異、CALR変異、MPL変異の有無と、各患者の臨床情報を収集し、WHO2008診断基準を用いて、triple-negative MPN確定症例を同定し、正常と腫瘍組織のゲノムDNAのペアが得られた40症例について、次世代シークエンサーを用いて全エクソン配列を決定した。そして、得られた配列情報を元に、腫瘍検体に共通するこれまでに報告のない新規体細胞遺伝子変異を同定している。2018年度は、2017年度に株化した新規のドライバー変異候補遺伝子とその野生型遺伝子を発現するBa/F3細胞を用いて、細胞の増殖アッセイを行い、変異遺伝子導入細胞がサイトカイン非依存性の細胞増殖能を有することを確認した。現在は、この変異型遺伝子を発現させることで、細胞内のどのようなシグナル伝達系が活性化することで、サイトカイン非依存性の細胞増殖が惹起されるのかについて、解析を行なっている。本研究の推進により、triple-negative MPN発症の新たな分子基盤が解明されることが期待され、患者の迅速な診断や、有効な治療法の開発に直結することから、本研究の医学的意義は極めて大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2017年度に株化したMPNを引き起こす新規のドライバー変異候補遺伝子の変異型遺伝子とその野生型遺伝子を発現する細胞を用いて、細胞増殖アッセイを行った。その結果、変異遺伝子を導入した細胞においてサイトカイン非依存性の細胞増殖が見られたことから、おおむね研究は順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、2017年度に樹立した細胞株を用いて、新規のドライバー変異候補遺伝子を発現させたことで、細胞内のどのようなシグナル伝達系が活性化され、サイトカイン非依存性の細胞増殖が惹起されるのかについて、解析を行なっていく。また、新規のドライバー変異候補遺伝子とその野生型遺伝子を発現するUT-7/GM細胞の細胞株を樹立し、分化の偏向性についても検証する。分化誘導シグナルとして、様々な濃度のエリスロポエチン(EPO)やトロンボポエチン(TPO)などを作用させ、ドライバー変異遺伝子によるサイトカインへの感受性の亢進が、細胞の分化の偏向性を引き起こすことを、赤芽球(CD235a)や巨核球(CD42b)マーカーの染色を行うことで明らかにする。
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Causes of Carryover |
研究協力者の協力により、研究は順調に進んでいる。次年度使用額は、細胞の培養に必要な培地や血清の購入費用などの一部に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] 細胞減少療法はPMF患者における腎機能の悪化を防止する.2018
Author(s)
福田泰隆, 荒木真理人, 山本紘司, 森下総司, 稲野資明, 三澤恭平, 落合友則, 枝廣陽子, 今井美沙, 後藤明彦, 大坂顯通, 小松則夫.
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] 変異型 CALRの多量体化は MPLとの結合と活性化に必須である.2018
Author(s)
荒木真理人, 楊印杰, 今井美沙, 水上喜久, 木原慶彦, 角南義孝, 増渕菜弥, 枝廣陽子, 弘中由美, 大佐賀智, 大坂顯通, 小松則夫.
Organizer
第80回日本血液学会学術集会
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[Presentation] Boarding on the secretary pathway is required for the oncogenic property of mutant calreticulin.2018
Author(s)
Araki M, Masubuchi N, Hayashi E, Yang Y, Imai M, Kihara Y, Mizukami Y, Hironaka Y, Edahiro Y, Ohsaka A, Komatsu N.
Organizer
23rd Congress of the European Hematology Association
Int'l Joint Research