2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanism of immunoreceptor SLAMF3 in myeloma pathogenesis and development of new SLAMF3-targeted therapy
Project/Area Number |
17K16196
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
石橋 真理子 日本医科大学, 医学部, 助教 (20599047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 多発性骨髄腫 / SLAMF3 / 免疫関連分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
SLAMF3は、免疫グロブリン様ドメインを分子内に有するI型膜貫通糖タンパク質であり、他の細胞上に発現する同じ分子をリガンドとして認識するself-antigenである。SLAMF3は、主に、T細胞・NK細胞・B細胞に発現しており、それら免疫細胞の活性化に寄与している。本研究では、多発性骨髄腫におけるSLAMF3の発現と機能を解析し、新規治療薬の標的として有用か検討を行った。 230症例の骨髄腫患者において、異常形質細胞(骨髄腫細胞)上のSLAMF3の発現をフローサイトメトリーで解析したところ、骨髄腫細胞においてSLAMF3の発現は高発現であり、病勢進行に関わらず不変であった。骨髄腫細胞においてSLAMF3の発現をノックダウン、または、ノックアウトすると、細胞の増殖能が抑制され、更には、治療薬に対してアポトーシスが強く誘導された。一方、SLAMF3安定型発現させた骨髄腫細胞では、増殖能が亢進し、薬剤耐性が誘導された。更には、SLAMF3は、細胞内ドメインITSMでアダプター蛋白質GRB2とSHP2との結合を介してERKシグナルの活性化を誘導し、骨髄腫細胞の増悪化を強く誘導していることを明らかにした。また、骨髄腫患者の血清中には、SLAMF3の細胞外ドメインが切断された可溶型SLAMF3が存在していることを見出した。病期進行とともに、血清可溶型SLAMF3の濃度が亢進し、可溶型SLAMF3高値群の症例では有意に予後が悪かった。 本研究では、SLAMF3は、骨髄腫の病態進行に関わる免疫関連分子であり、病期に関わらず高発現していることから治療標的となりうることを示した。また、血清中の可溶型SLAMF3の濃度は、MM患者の予後予測因子として有用である事を示唆した。 以上のことを纏めて、雑誌Molecular Cancer Researchに発表した。
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[Journal Article] SLAMF3-mediated signaling via ERK pathway activation promotes aggressive phenotypic behaviors in multiple myeloma2020
Author(s)
Ishibashi M, Takahashi R, Tsubota A, Sasaki M, Handa H, Imai Y, Tanaka N, Tsukune Y, Tanosaki S, Ito S, Asayama T, Sunakawa M, Kaito Y, Kuribayashi-Hamada Y, Kondo-Onodera A, Moriya K, Komatsu N, Tanaka J, Odajima T, Sugimori H, Inokuchi K, Tamura H
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Journal Title
Molecular Cancer Research
Volume: 18(4)
Pages: 632-643
DOI
Peer Reviewed
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