2017 Fiscal Year Research-status Report
抗リン脂質抗体症候群における自己抗体産生機序の解明
Project/Area Number |
17K16202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤枝 雄一郎 北海道大学, 大学病院, 助教 (70790872)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | MHC class II / 複合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的1. プロトロンビン(PT)がβ2グリコプロテインI(β2GPI)と同様の機序でMHC ClassIIと複合体を形成し抗原として提示されるかどうか否かを検討する。 実験1. PT/MHC classII複合体が細胞表面に輸送されるかどうかを確認するために、HEK293T細胞(ヒト腎臓上皮細胞株)による強制発現系を用いた。HLAはホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)陽性患者に発現頻度の高いHLADRB1*1302とDRB1*1101、DRB1*1201を選択した。PTはp3xFLAG-CMVTM-expression vector を用いて強制発現させ、発現はWestern blottingで確認た。HLAα鎖とβ鎖、PTをHEK293T細胞に強制発現させ、PT/MHC classII複合体の表出をサイトメリー(FCM)を用いて確認した。 結果1. Western BlottinによりFLAG-PTが発現していることを確認した。 PTおよびMHC classIIを共発現したHEK293T細胞において抗ヒト-PT抗体と抗ヒト-HLA-DR抗体がどちらも結合する細胞集団が認められ、PT/MHC classII複合体が表出されている事が示唆された。またその細胞に特異的に231D(マウスモノクローナルaPS/PT)が結合する事を確認した。またHLA alleleによって抗体の結合親和性に違いがあり、HLADRB1*1302と DRB1*1101とPTを共発現した細胞表面にPT/MHC classII複合体が確認された。 目的2. aPS/PT産生細胞を同定する。 現在強制発現系を用いて自己反応性B細胞をsortingするための条件検討を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗リン脂質抗体の抗原であるプロトロンビンと疾患感受性HLAが複合体を形成することは証明できたが、aPS/PT産生細胞の同定がまだできておらず、その後の抗体産生細胞の分化の抑制、抗体産生の抑制、抗体産生細胞自体の除去に関する検討ができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
自己反応性B細胞のsortingおよび自己反応性B細胞のcloningを行う。Cloningすることで患者由来のmonoclonal抗体を作製することが可能となる。さらには抗原特異的B細胞の増殖・活性化メカニズムを明らかにすることで疾患特異的抗体の産生抑制を目指す。
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