2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of virulence factors of non-tuberculous mycobacteria focus on alveolar macrophages
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17K16226
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井手 昇太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (20773336)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 非結核性抗酸菌 / 感染免疫 / マクロファージ / NF-κB / Mycobacterium / NTM / MAC / 気管支拡張症 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】肺非結核性抗酸菌(NTM)症においてNTM菌種と肺病変の進展にマクロファージ(AM)NF-κB誘導能が関連しているかを明らかにする。 【方法】長崎大学病院及び関連病院でNTM臨床分離株を集積し、日本結核病学会・日本呼吸器学会合同基準を満たした肺NTM症例をより抽出し、胸部CTで気管支拡張の程度を測定した。それぞれの菌株で、遺伝子導入AM株RAW264.7-Lenti-NF-κBを3時間刺激し、Luciferase asseyでNF-κB活性を定量測定した。さらに、AMが産生するTNF-α、IL-1βを細胞上清ELISA法で測定した。 【結果】計64株のNTM株(M.avium 38株、M.intracellulare 17株、M.abscessus 6株、M.kansasii 3株)を得た。M.abscessusはコロニー形態によりSmooth(S型)とRough(R型)に分類した。M.avium、M.intracellulareはほぼ同等のAM NF-κB活性誘導能を呈するのに対し、M.kansasiiは高いNF-κB活性誘導能を示した。M.abscessusでは、S型で低く、R型は高いNF-κB活性誘導能を示した(p=0.001)。細胞上清のTNF-αはNF-κB活性と正の相関がみられた一方で、IL-1βとNF-κB活性との相関は認められなかった。またNF-κB活性とスコア化した気管支拡張の程度は逆相関(p=0.029)を示した。 【考察】NTMのAM NF-κB活性誘導能は菌種で異なったことから、NTM菌種によるAMパターン認識受容体の反応の相違を反映している可能性が示唆される。またNF-κB活性を誘導しにくいNTM株で気管支拡張が増悪するメカニズムについては、AM細胞死との関連性を考慮し研究を進めたい。
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[Presentation] Mycobacterium intracellulareによる骨・軟部組織感染症を繰り返した抗IFN-γ抗体陽性自己免疫疾患の一例2020
Author(s)
北御門孝, 山本和子, 芦澤信之, 平山達朗, 田代将人, 田中健之, 高園貴弘, 今村圭文, 宮崎泰可, 泉川公一, 柳原克紀, 迎寛
Organizer
第90回 日本感染症学会西日本地方会学術集会