2019 Fiscal Year Research-status Report
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症における新規疾患遺伝子の探索とその分子機能の解析
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17K16240
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
今川 和生 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (40708509)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児肝疾患 / 胆汁うっ滞 / 遺伝性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに進行性家族性肝内胆汁うっ滞症2型におけるゲノム解析と変異体の機能解析について論文等で報告した。それらを踏まえて本研究の発展を目指し、全国の小児消化器病診療施設や遺伝子解析拠点施設との共同研究体制の形成に注力した。新生児・乳児期の胆汁うっ滞性疾患の診断支援をするためのウェブサイトである乳児黄疸ネットは乳児期黄疸の鑑別診断から始まり、疾患別のページでは、胆道閉鎖症、先天性胆道拡張症、アラジール症候群、新生児肝炎、先天性胆汁酸代謝異常症、シトリン欠損症、ミトコンドリア病、新生児ヘモクロマトーシスなど進行性家族性肝内胆汁うっ滞症と鑑別を要する疾患群を取り上げている。これら研究ネットワークを通じて希少難治肝疾患および消化器疾患領域の臨床情報収集や遺伝子解析を進めた。遺伝子解析では、共同研究機関とともに、次世代シークエンサーを用いたターゲット遺伝子の変異解析を行った。進行性家族性肝内胆汁うっ滞症2型や3型で検出されるABCB11、ABCB4の変異を有する家系を同定した。本解析体制でバリアントデータの更なる収集や蓄積を進めるとともに、診断不明例におけるゲノム解析方法の開発にも取り組んだ。小児期発症胆汁うっ滞症例のうち、未だ診断不明である19例を抽出した。これらの症例におけるエクソーム解析や遺伝子発現解析を行うため凍結肝組織からDNAやRNAなどを分離した。これらの試料を用いて次研究課題に発展していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題における目標が概ね達せられ、論文や学会での発表も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しており、最終年度を1年間延長してデータを整理するほか、学会発表などで成果を報告する。
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Causes of Carryover |
順調な研究成果が得られ、次年度に論文発表や学会報告するため。
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Research Products
(7 results)