2017 Fiscal Year Research-status Report
Comprehensive gene analysis of clonal hematopoiesis in childhood aplastic anemia
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17K16248
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
成田 敦 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20625149)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血液学 / 小児 / 再生不良性貧血 / クローン性造血 / 夜間発作性血色素尿症 / 骨髄異形成症候群 / 急性骨髄性白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
HLA一致ドナーが得られない小児再生不良性貧血(AA)に対する標準治療は抗胸腺細胞グロブリンとシクロスポリンによる免疫抑制療法(Immunosuppressive therapy; IST)である。骨髄移植が実施できなかった症例においてもISTにより90%以上の長期生存が期待されるが、数年の経過中に約15%の症例ではクローン性造血が生じるとされる。クローン性造血には夜間発作性血色素尿症(Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria; PNH)を代表とする血液良性疾患の他に、骨髄異形成症候群(Myelodysplastic syndrome; MDS)および急性骨髄性白血病(Acute myeloid leukemia; AML)などの血液悪性疾患が含まれる。 我々は小児AAの57症例を後方視的に解析した。観察期間中に5例がPNHを発症し、10年累積発症率は10.2% (95% CI, 3.6%-20.7%)であった。また、AAからPNHを発症した5例についてAA診断時とPNH発症時の検体をターゲットシーケンス解析した結果、AA診断時にはPIGA遺伝子変異を認めなかったが、PNH発症後にPIGA遺伝子変異を全例で検出した(Narita A, et al., Br J Haematol 2017)。また、AAの経過中に7番染色体モノソミーを来した2例について、AA、MDS、AML発症時の検体を用いて全エクソーム解析を実施した。その結果、経過中にそれぞれ5つの付加遺伝子変異を検出し、このうちSETBP1変異を両者に認めた。 さらに、小児AAの37症例の継時的に保存された検体を用いてエクソーム解析を実施し、このうち17症例に経過中に何らかの遺伝子変異の出現を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経過中にクローン性造血を来した7例(PNH 5 例、7 番染色体モノソミー2例)について、AA 診断時およびクローン性造血を発症した時点に採取された検体を継時的に解析した。AAからPNHを発症した5例については英文論文として報告できた。さらに、小児AAの長期フォローアップされている検体を用いてエクソーム解析を実施できていることから、おおむね順調に研究は進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度と同様の解析を進めつつ、クローン性造血の発症予測を目的とした遺伝子解析の臨床的応用の実現について検討を進める。具体的には、名古屋大学小児科でフォローされているAA 患者のうち、これまで造血幹細胞移植が実施されていない症例は50 症例ほどである。これらの症例は将来的にPNH またはMDS/AML といったクローン性造血疾患を発症するリスクを有している。そこで、これまでに保存されている検体を含めてターゲットシーケンスまたは全エクソームシーケンスを行い、クローン性造血の早期診断における有用性を確認する。さらに、定期的な微小PNH 血球モニタリング並びに染色体検査等の臨床情報を遺伝子解析の結果と合わせて評価し、包括的な疾患概念の理解、病態解明を目指す。
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Causes of Carryover |
【理由】 次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子解析については、検体の集積に従い解析を実施しているために、一部の研究費について次年度に繰り越して解析を行う。 【使用計画】 引き続き小児再生不良性貧血の検体を用いて次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析を行い、クローン性造血発症の機序の詳細について検討を進める。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Development of clinical paroxysmal nocturnal haemoglobinuria in children with aplastic anaemia.2017
Author(s)
Narita A, Muramatsu H, Okuno Y, Sekiya Y, Suzuki K, Hamada M, Kataoka S, Ichikawa D, Taniguchi R, Murakami N, Kojima D, Nishikawa E, Kawashima N, Nishio N, Hama A, Takahashi Y, Kojima S.
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Journal Title
Send to Br J Haematol
Volume: 178(6)
Pages: 954-958
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Clinical sequencing of 375 patients with inherited and acquired bone marrow failure syndromes2017
Author(s)
Hideki M, Okuno Y, Yoshida K, Shiraishi Y, Doisaki S, Narita A, Sakaguchi H, Kawashima N, Wang X, Xu Y, Chiba K, Tanaka H, Hama A, Sanada M, Takahashi Y, Kanno H, Yamaguchi H, Ohga S, Manabe A, Harigae H, Kunishima S, Ishii E, Kobayashi M, Koike K, Watanabe K, Ito E, Takata M, Yabe M, Ogawa S, Miyano S, and Kojima S
Organizer
EWOG-S/SAA2017
Int'l Joint Research
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[Presentation] Genetic background of idiopathic bone marrow failure syndromes in children2017
Author(s)
Narita A, Hideki M, Okuno Y, Yoshida K, Shiraishi Y, Chiba K, Tanaka H, Wang X, Kojima D, Xu Y, Kawashima N, Nishio N, Hama A, Takahashi Y, Hasegawa D, Manabe A, Sakaguchi H, Yoshida N, Kato K, Miyano S, Ito M, Ogawa S and Kojima S
Organizer
EWOG-S/SAA2017
Int'l Joint Research
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[Presentation] Germline mutation in pediatric patients with aplastic anemia2017
Author(s)
Narita A, Muramatsu H, Okuno Y, Wang X, Xu Y, Kawashima N, Nishio N, Hama A, Sakaguchi H, Yoshida N, Kato K, Kojima S and Takahashi Y
Organizer
第59回日本小児血液・がん学会
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