2017 Fiscal Year Research-status Report
脳磁図によるウェスト症候群のてんかん焦点の解明と予後予測
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17K16250
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 啓之 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00784919)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳磁図 / dSPM法 / 時間分解能 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳磁図測定のための機器は既存のものを使用している。得られたデータを解析するための解析機器、ソフトの購入、設置を行った。具体的には解析用コンピューターを購入し、その設置および、Single dipole法による解析をするためのソフトであるMEG laboratoryの設定およびdSPM法による解析をするためのソフトであるBrainstormの設定を行った。 現在までにウェスト症候群の被検者4名に対して脳磁図計測を行った。そのうち1例では脳磁図の時間分解能を活かし、hypsarrhythmiaとよばれる特徴的な脳波の起始部のみの解析を行った。脳腫瘍に伴う症候性ウェスト症候群の患者であったが、single dipole法によるECDは腫瘍周囲に有意な集積をしめし、dSPM解析による解析では腫瘍周囲から高い磁場変化が発生し、前頭葉へと拡延することが確認された。これらにより発作起始部の同定が可能であった。この解析が脳外科手術へつながり、現在発作が消失し、一旦停止していた発達の進行がみられている。 他の潜因性ウェスト症候群においても解析を進行させているが、従来の予想通りsingle dipole法では有意な結果が得られていない。dSPM法による解析をすすめ、また症例を蓄積することでWest症候群の病態解明につながる脳内の磁場変化の発見を模索している。また、これらの症例は同時に高磁場MRI、FDG-PET,脳波-機能的MRI同時記録が行われており、それらの検査との相関も一部でみられている。まだ症例数が少ないため有意な結果は示すことができないが、データの蓄積は進んでいるためそれらの解析を適宜行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
29年度は従来の診療状況に比して当院におけるWest症候群の患者が少なく、症例の蓄積が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の蓄積および解析を同様に進める。症例が少ない場合は他施設からの参加も呼びかけていく。また、解析に関してはdSPM法を研究開始時点で想定していた脳表のみを解析する方法に加えて脳の深部の解析ができるwhole brain modelを加えて解析していくことで、より病態解明にち近づけることを期待している。
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Causes of Carryover |
脳磁図計測が予定より少なかったため、使用量が大幅に減少していた。次年度は前記の方法などにより増加が見込まれるため当該年度分を使用していく予定である。
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Research Products
(2 results)