2019 Fiscal Year Annual Research Report
ADAM32 plays an oncogenic role in hepatoblastoma
Project/Area Number |
17K16265
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
深澤 賢宏 広島大学, 自然科学研究支援開発センター, 研究員 (80734285)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ADAM32 / 肝芽腫 / ノックダウン / CDDP / アポトーシス / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は引き続き、肝芽腫に特異的に高発現することが分かったADAM32の機能的意義や発現制御メカニズムの検討を行いました。昨年度までの研究で、肝芽腫の治療で標準的に使用されるシスプラチン(CDDP)を用いて、ADAM32の発現変動による細胞死への影響を検討した所、ADAM32ノックダウン群で死細胞が増加することが明らかとなりました。この分子メカニズムの詳細を、caspase-8特異的阻害剤や変異型p53を発現したHepG2細胞株を用いて検討した結果、ADAM32ノックダウンにより引き起こされる細胞死は、外因性アポトーシスシグナルにより制御されていることが明らかとなりました。 一方、ADAM32発現制御メカニズムに関して、固形がんの微小環境のひとつである低酸素に着目して解析を進めました。 HepG2を1%O2 の低酸素環境に48時間曝露させた結果、ADAM32 mRNAの発現が亢進することが明らかとなりました。低酸素環境で発現が高くなるメカニズムとして、プロモーター活性を検討しました。ADAM32のプロモーター領域を組み込んだルシフェラーゼレポーターを作製し検討した結果、低酸素環境下でADAM32のプロモーター活性が軽度亢進していました。次に、mRNAの安定性をActinomycin Dを用いて検討した結果、低酸素環境下で半減期が2倍程度長くなり、ADAM32 mRNAの安定性が向上していました。以上のことから、低酸素により引き起こされるADAM32の発現亢進は、プロモーター活性、mRNA分解抑制、両方の機序により制御されていることが明らかとなりました。
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