2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of oral mucosal vaccine for infant.
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17K16267
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木本 貴士 徳島大学, 先端酵素学研究所(デザイン), 特任研究員 (90724261)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺サーファクタント / インフルエンザ / 粘膜ワクチン / 経口投与ワクチン / 乳幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度はSF-10混合HA経口投与 (HA-SF-10(p.o.)) が、ワクチン投与1年後にも抗HA免疫が維持されていることをT細胞とB細胞を中心に解析した。今年度は、S HA-SF-10(p.o.) によって誘導された免疫が、1年後に致死量のインフルエンザウイルス感染による死亡を阻止できるのかを検討した。その結果、従来臨床で行われているHA皮下投与群 (HA(s.c.)) の生存率が60%の条件下で、HA-SF-10(p.o.) は100%の生存率を示した。この時同様の方法で免疫したマウスの血液中抗HA IgG抗体はHA(s.c.) の方がHA-SF-10(p.o.) より高く検出された。一方肺洗浄液抗HA IgA抗体においてはHA-SF-10(p.o.) が高い抗体価を示し、 HA(s.c.) は抗体がほとんど検出されなかった。 以上の結果よりHA-SF-10(p.o.) は投与1年後においても致死量のインフルエンザウイルス感染防御免疫を持続しており、またその防御免疫の主は気道粘膜のIgAであることが示唆された。 消化管においてSF-10がどのような細胞にワクチンを運搬しているのかを確認した。蛍光ラベル化オボアルブミン (fOVA) をSF-10と混合し、マウスに経口投与したところ、小腸の抗原提示細胞 (CD11c+MHC II+細胞)にfOVAが取り込まれていることが確認された。この時fOVA単独経口投与マウスの小腸細胞からはfOVAがほとんど検出されなかった。さらにSF-10混合群はCD11b+CD103-細胞 (IFN-gやIL-17産生T細胞誘導抗原提示細胞) とCD11b+CD103+細胞 (IgA誘導抗原提示細胞) にもfOVAを効率よく運搬していることが確認された。これら結果はSF-10経口投与による粘膜IgA誘導増強効果を支持するものである。
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