2019 Fiscal Year Annual Research Report
Study on environmental vulnerability of autistic children using Shank3 deficient mice
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17K16268
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Research Institution | National Hospital Organization, Kyushu Medical Center (Clinical Institute) |
Principal Investigator |
松下 悠紀 独立行政法人国立病院機構九州医療センター(臨床研究センター), その他部局等, 小児科医師 (50778868)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | shank3a / 自閉スペクトラム症 / 脳内分子シグナル / 興奮抑制バランス / ニューロン分化成熟 |
Outline of Annual Research Achievements |
SH3 and ankyrin repeat domain containing 3 (SHANK3)遺伝子は、22q13欠損症候群および自閉スペクトラム症の原因遺伝子の一つであり、小児期の脳発達に重要な役割を果たす。SHANK3遺伝子の発現メカニズムは複雑であり、選択的スプライシングおよび翻訳調節の結果、少なくとも5つのアイソフォームSHANK3a-eがコードされる。 この中で最も分子サイズの大きなSHANK3aアイソフォーム(180kD)は、そのN末端にアンキリンリートドメイン(ARD)を有する。ARDは他のアイソフォーム(SHANK3b-e)には存在しないが、その機能的意義は不明である。 今回、我々はARD関連タンパク質複合体を明らかにするために、免疫沈降-質量分析法を用いた網羅的探索を行った。その結果、ARDはニューロンの分化成熟に重要な分子シグナルを制御する可能性を見出した。またSHANK3aは、生後早期の興奮・抑制バランスを制御し、機能的な回路を構築する上で不可欠なアイソフォームであると結論した。 これらの結果は、最近報告されたShank3欠損マウスにおける感覚過敏と矛盾しない結果であり、英文学術誌への投稿を準備中である。
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