2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 良知 九州大学, 大学病院, 助教 (10737175)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 川崎病 |
Outline of Annual Research Achievements |
当教室で開発した自然免疫受容体Nod1のリガンド投与による「川崎病類似冠動脈炎モデルマウス」にIL-1βの関与があるか調べるため、Nod1リガンド投与野生型マウスにAnakinra 1mgを連日投与したところ、冠動脈炎の改善傾向を認めた。しかし、試薬のストックが少なく、各群2匹しか評価ができず、冠動脈炎改善傾向があったものの統計学的な有意差判定はできなかった。 LCWE投与川崎病モデルマウスでは、IL-1βの重要性が既に示されており(Circulation. 2012)、最近、IL-1βの産生細胞が申請者らの発見したCD11c陽性マクロファージであることが明らかとなった(Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2015) 。また、LCWE投与による腹部大動脈瘤での解析でもCD11c陽性マクロファージの産生するIL-1βの関与が示され、関連因子としてMMP-12が挙げられている(Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2015)。そこで、自験の川崎病類似冠動脈炎モデルのCD11c陽性マクロファージにおけるMMP関連遺伝子を解析したところ、発現が亢進していたのはMMP-2, 9, 13, 24であり、MMP-12の亢進は無かった。MMP-12は組織から放出されマクロファージの浸潤に関与しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試薬とマウスの確保が難しく、再実験が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
試薬およびマウスを購入し、引き続き刺激を行う。
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Causes of Carryover |
Nod1リガンド投与川崎病類似冠動脈炎モデルマウスにAnakinraを連日投与したところ冠動脈炎の改善傾向を認めた。Anakinraは既に米国で川崎病に対する臨床試験中であり、治療効果を認めても新たな知見としての価値は低いと考えられ、Anakinraの代替となる薬剤を調査したが、利用可能なものは見つからなかった。 本年度は試薬とマウスを確保し、再実験を行い、当教室で開発した川崎病類似冠動脈炎モデルマウスにおけるIL-1βの関与を示す計画である。
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