2018 Fiscal Year Annual Research Report
Role of IL-1 in Nod1-induced coronary arteritis
Project/Area Number |
17K16270
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 良知 九州大学, 大学病院, 助教 (10737175)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 川崎病 / Nod1 |
Outline of Annual Research Achievements |
川崎病の治療法は免疫グロブリン大量投与が中心であるが、不応例についてはステロイド、抗 TNFα抗体、免疫抑制剤など様々な治療法が検討されている。しかし、その作用機序はほとんど解明されておらず、治療効果も十分とは言えない。 本研究では、申請者らがこれまでに開発してきた自然免疫受容体 Nod1 のリガンド投与による「川崎病類似冠動脈炎モデルマウス」を用いて、川崎病における IL-1βの意義を確認した。 FK565投与川崎病類似冠動脈モデルマウスの心臓のCD11c陽性マクロファージでは、IL-1a, IL-1bなどのIL-1関連分子の発現が著名に亢進していた。また、LCWE投与による腹部大動脈瘤での解析でもCD11c陽性マクロファージの 産生するIL-1βの関与が示され、関連因子としてMMP-12が挙げられている。そこで、CD11c陽性マクロファージにおけるMMP関連遺伝子を解析したところ、発現が亢進していたのはMMP-2, 9, 13, 24であり、MMP-12の亢進は無かった。MMP-12は組織から放出されマクロファージの浸潤に関与しているものと考えられた。 IL-1受容体アンタゴニストである少分子を川崎病類似冠動脈モデルマウスへ投与したが、病理学的所見、浸潤細胞数、病変範囲でいずれも改善を認めなかった。 本研究の成果として、川崎病類似冠動脈モデルマウスにおいて、IL-1の関与を示唆する所見は認めたものの、治療的介入としての証明は困難であった。
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