2018 Fiscal Year Research-status Report
脊髄性筋萎縮症患者細胞におけるSMNタンパク質複合体形成能の解析
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17K16281
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
荒川 玲子 東京女子医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40623111)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | SMNタンパク質 / 脊髄性筋萎縮症 / イメージングフローサイトメトリー |
Outline of Annual Research Achievements |
脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy: SMA)患者もしくは代諾者から文書同意を得られた方の皮膚細胞もしくは血液細胞から樹立した線維芽細胞、リンパ芽球、末梢血のそれぞれについて、イメージングフローサイトメトリー法(ImageStreamMarkⅡ)を用いて、survival motor neuron (SMN)タンパク質発現量および局在解析を実施した。線維芽細胞、リンパ芽球、末梢血由来細胞を対象をした結果、全ての細胞種において、SMA患者由来細胞では、健常者由来細胞と比較して有意にSMN発現量が低値であった。その中でも特に、末梢血由来単核細胞(peripheral blood mononuclear cell: PBMC)は、皮膚細胞採取などに比較し、低侵襲で採取が可能であることから、PBMCを対象に絞りアルゴリズムの構築および解析を実施した。SMAは小児期発症疾患であり、少量での解析アルゴリズムの構築が必要であることから、血液量1.5mlで解析を可能なプロトコールとした。文書同意が得られたSMA患者(Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型)および健常成人ボランティアから血液1.5mlを採血後、細胞表面抗原マーカーで染色し、溶血、固定処理を行い、抗SMN抗体およびHoechstで染色した。血液細胞をCD3、CD19、CD33発現によりPBMCをリンパ球(T細胞、B細胞、単球)および顆粒球に分画した上でイメージングフローサイトメトリー法で解析するアルゴリズムを構築した。現在、SMA患者および健常成人ボランティア由来のPBMCを対象とした解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.5mlの血液を解析対象としたプロトコール、解析アルゴリズムが決定でき、同意および検体が得られ次第解析可能な状況となっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
脊髄性筋萎縮症に対する核酸医薬品であるスピンラザ髄注が保険収載され、髄注治療を受ける患者が増加している。これまでの解析に加え、核酸医薬品の投与前から、投与後における経時的なSMNタンパク質発現量解析を実施する。
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Causes of Carryover |
対象者の大部分が小児であることから、最小限の血液量として、全血1.5mlでのSMNタンパク質解析プロトコールの検討、確定に時間を要したため。血液検体は、採取後24時間以内に処理が必要であり、患者検体の収集を積極的に進める予定としている。
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