2019 Fiscal Year Research-status Report
内分泌マーカーによる新生児サーカディアンリズム形成過程の解析
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17K16286
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
木下 正啓 久留米大学, 医学部, 助教 (10624455)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 概日リズム / 新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
適切な睡眠環境は,認知機能などの発達に不可欠であり、睡眠障害は高次機能障害の関連が指摘されている。出生後から新生児のサーカディアンリズムが確立される過程は不明な点が多く、サーカディアンリズムを考慮したケアなどは検討の余地を残している。このため我々は、出生後サーカディアンリズムの変化を注目 するため出生直後のコルチゾール・メラトニンの推移と出生後時間を得た新生児のコルチゾール・メラトニンの推移を比較するため、尿中コルチゾール・6-sulfatoxymelatoninを採取し、時間経過による変化や臨床変量との比較検討を行なった。 40例ほどの尿中コルチゾール・6- sulfatoxymelatoninを採取ができ、検体の解析を高次脳機能研究所の岡村尚昌先生に随時施行していただいた。 これら症例の臨床変量(継時的変化、週数、日齢、体重、出生後の環境、治療内容など)の情報収拾を行い、尿中コルチゾール・6- sulfatoxymelatoninの変化 と比較し関連性について解析を進めている。 特に、現時点で注目している事象としては、出生直後の母体のメラトニン支配から離脱する際、新生児における尿中6- sulfatoxymelatoninの推移について文献を加味した検討を行いつつデータを解析している。概ね24時間で新生児の6-sulfatoxymelatoninは急激に低下しており、母体のメラトニンが消失していると思われる。これらの影響を取り除いた時期の6- sulfatoxymelatoninの周波数解析などの解析を行っているが難航している。また、尿中コルチゾールの出生直後からの継時的な解析を行っており、朝と夕に上昇する二相性のパターンを概ね認めていた。これは、我々が唾液のコルチゾールを用いて行った結果(Kinoshita, M., et al. 2016)と相違ないパターンであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
検体数は概ね揃っており、解析も施行しているが、データの解釈に難航しているのが現状にある。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、尿中コルチゾール・6-sulfatoxymelatoninと臨床変量データに関して解析を継続していく。母体のメラトニン支配から離脱する際の、メラトニンの推移と長期入院症例での6-sulfatoxymelatoninの推移について周波数解析などを用いて検討していく。尿中コルチゾールの変化について文献的考察をすすめる。
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Causes of Carryover |
6-Sulfatoxymelatonin ELISAの使用量が少なく済んだことにより、物品費に余剰が発生した。余剰した金額は旅費と謝金を中心に使用する予定である。
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