2018 Fiscal Year Research-status Report
科学的根拠に基づく小児肥満の指標のカットオフ値の探索
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17K16291
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Research Institution | National Center for Child Health and Development |
Principal Investigator |
大久保 祐輔 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 社会医学研究部, リサーチアソシエイト (10795991)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児肥満 / カットオフ / 急性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児肥満は世界中で増加傾向にあり、非常に深刻な小児公衆衛生上の問題がある、日本では古典的には読字の指標を用いており、WHOやCDCが使用する肥満の定義と異なるが、科学的根拠の乏しい指標であるという問題点がある。今回の研究では、日米のん大規模入院診療情報データベースを使用・解析し、小児肥満が急性疾患の入院後アウトカムに及ぼす影響を定量化することを目的にカットオフ値を探索することである。 小児肥満が急性期疾患に与える影響を複数のデータベースを用いて日米比較を行いながら調査した。日本国内のデータベースでは、小児肥満はRSウイルス感染症、インフルエンザ感染症、気管支喘息発作の重症化(集中治療など)や再入院と関連していたのが判明した。RSウイルス感染症に関しては、1歳未満の小児に、インフルエンザ感染症は全年齢、気管支ぜんそく発作の重症化は3歳以上の小児を対象に解析を行った。 また、アメリカのデータを使用し、同様の調査をおこなっているが、同じく気道感染症や尿路感染症、気管支喘息発作の重症化と関連していることが判明した。気道および尿路感染症に関しては全年齢の小児を対象に、気管支喘息発作に関しては3歳以上の小児を対象に解析を行った。 日本の小児においてもWHOの提唱する肥満のカットオフ値が汎用性があるのが判明しており、今後の予定としてはローレル指数やKaup指数、肥満度といった指標に同様の妥当性があるかを評価する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカのデータベース取得に時間を要したため、研究の進行状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
WHOの提唱する肥満の指標の使用による妥当性は高いことが判明している。今後の研究では、日本が読字に用いている肥満の指標が同様に当てはまるのか否かを慎重に妥当性を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
米国のデータベースの申請・購入が遅れたため、次年度使用額が生じた。こちらのデータベースは早急に購入する予定である。
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Research Products
(1 results)