2017 Fiscal Year Research-status Report
自閉症リスク分子DUSP22、MTNR1の病態形成機構の解明
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17K16294
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
浜田 奈々子 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 神経制御学部, 特別研究員 (70721835)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ASD / DUSP22 |
Outline of Annual Research Achievements |
DUSP22は自治医大のASD患者から遺伝子領域の欠失が見出された遺伝子であり、トリオ解析によりde novoの欠失であることが確認された。DUSP22は胎児脳に高発現する脱リン酸化酵素である。DUSP22はMAPキナーゼ(p38, JNK)シグナルの活性調節で重要な役割を果たすとされ、脳の発生にも重要な役割を担っていると考えられる。これまでにDUSP22の生化学的な解析は報告されているが、大脳皮質発生における役割を含めて神経機能は全く不明である。今年度はまずDUSP22の抗体を作成し、発現プロファイルを行なった。マウスでは組織特異的な発現が見られた。心臓、膵臓、骨格筋で高い発現が見られ、大脳、小脳でも発現していた。細胞内局在は細胞質全体に確認され、部分的にアクチン細胞骨格と共局在していた。また、DUSP22と相同性の高いアイソフォーム、DUSP15、DUSP23とは反応せず、特異性の高い抗体を作成出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウサギポリクローナルDUSP22抗体を作成し、相同性の高いアイソフォーム、DUSP15、DUSP23とは反応しない、特異性の高い抗体を作成出来た。またマウス組織、培養細胞を用い、発現プロファイルを行なうことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
自治医大で同定されたASD患者はDUSP22の欠失であるため、今後はハプロ不全を想定したノックダウン実験を行なう。DUSP22のRNAiベクターの作成を行い、マウス子宮内胎仔脳遺伝子導入法を用いて胎生14日目のマウス胎児の神経幹細胞にRNAiベクターを導入し、幹細胞から産生される大脳皮質神経細胞の移動、軸索伸展、またその後の樹状突起発達を観察する。
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Causes of Carryover |
DUSP22抗体作成を優先して行なったため、動物実験にかかる費用が次年度に繰り越されたため。
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Research Products
(8 results)