2019 Fiscal Year Research-status Report
自閉症リスク分子DUSP22、MTNR1の病態形成機構の解明
Project/Area Number |
17K16294
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Research Institution | Institute for Developmental Research Aichi Developmental Disability Center |
Principal Investigator |
浜田 奈々子 愛知県医療療育総合センター発達障害研究所, 分子病態研究部, 研究員 (70721835)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 |
Outline of Annual Research Achievements |
MTNR1A、1Bは、ASD(Autism Spectrum disorder)患者からミスセンス変異(MTNR1A:p.R54W, p.A157V、およびMTNR1B:p.G24E, p.A325V)が見出された遺伝子であり、概日リズムに関連するメラトニン受容体をコードしている。既にASD患者での遺伝子変異の報告があり、変異によるメラトニン結合能や細胞内局在の変化が示唆されている。またDUSP22は自治医大のASD患者から遺伝子領域の欠失が見出された遺伝子であり、トリオ解析によりde novoの欠失であることが確認された。本研究では、MTNR1A/Bミスセンス変異、DUSP22欠失を発生期のマウス大脳で模倣し、これらの遺伝子異常がASDを引き起こす分子メカニズムを解析することで、ASD病態形成機構の解明を目指す。 今年度はDUSP22のRNAiベクターを作成し、機能解析を開始した。COS7細胞で発現抑制効率を確認し、高効率のものをそれぞれ3種類ずつ選定した。マウスのプライマリーニューロンに、作成したRNAiベクターをそれぞれ導入し、内在性のDUSP22の発現を抑制できていることを確認した。これらのベクターをin utero electroporationにより、胎生14日目のマウス胎児の脳室に注入し、大脳皮質神経幹細胞に導入した。そして、そこから誕生する大脳皮質神経細胞の移動を生後0日目と3日目に観察したが、いずれのベクターにおいても移動および、神経細胞の最終配置は正常であった。また、MTNR1A、1BはRNAiベクター、及び患者由来のMTNR1A-RW、AV変異体を同様にマウス神経細胞に導入し、生後7日目に固定し、樹状突起発達を観察したが、コントロールと比較して顕著な差は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究所、実験動物舎の移転により、研究の実施が当初の研究計画より遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
DUSP22については樹状突起形成、MTNR1A, 1Bは軸索の伸展、成熟期の樹状突起形成を観察する。手法はこれまでと同様にin utero electroporation法を用い、2,3層の神経細胞が産生される胎生14日目にベクターを導入し、生後7日目に固定し発達期の樹状突起形成と軸索伸展を評価する。成熟期の樹状突起形成については生後30日目に評価する。
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Causes of Carryover |
研究所、実験動物舎の移転により、研究の実施が当初の研究計画より遅れたため。
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Research Products
(6 results)