2017 Fiscal Year Research-status Report
Identification of molecular markers for fetal function
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17K16302
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
東島 愛 長崎大学, 大学病院, 助教 (00549595)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胎児機能 / mRNA / microRNA / 羊水 / 羊膜 / 胎児 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の本研究では、妊娠経過に伴い羊水中ならびに母体血中へ流入する羊膜、胎児、羊水それぞれに特異的なmRNA/miRNAを同定するため以下の2点をおこなった。 1.羊膜、胎児ならびに羊水特異的mRNAの同定:妊娠中期に羊水検査を受けた例(妊娠15-16週)ならびに妊娠中期(妊娠26-28週)~後期(妊娠37-38週)に帝王切開を受けた例(破膜前に羊膜を穿刺して羊水を採取しえたもの)を対象とする。羊水細胞およびEDTA tubesで採血した血液細胞からmRNAを抽出して、組織特異的mRNAを同定した。 2. 羊膜、胎児ならびに羊水特異的miRNAの同定:miRNA Microarrayを用いてヒトmiRNAsをスクリーニングし、母体血液細胞、臍帯由来細胞、胎盤組織および羊膜組織と比較して羊水細胞で100倍以上の信号強度を認めるmiRNAを羊水特異的miRNAとして選択した。母体、臍帯血液、胎盤組織および羊水細胞と比較して羊膜組織で100倍以上の信号強度を認めるmiRNAを羊膜特異的miRNAとして選択した。母体、胎盤組織、羊膜組織および羊水細胞と比較して臍帯血液細胞で100倍以上の信号強度を認めるmiRNAを胎児特異的miRNAとして選択した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の本研究では、当初の研究計画の通り、妊娠経過に伴い羊水中ならびに母体血中へ流入する羊膜、胎児、羊水それぞれに特異的なmRNA/miRNAを同定した。しかし、最終的なスクリーニングデータの確認作業については行うことができなかったので、平成30年度に実施予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、羊膜、胎児ならびに羊水特異的mRNA/miRNAマイクロアレイパネルを用いた羊水中ならびに母体血漿中mRNA/miRNA流入量を明らかにする。そして、羊水中ならびに母体血中における胎児機能と関連する分子マーカーセットを選定する。さらには、胎児機能と関連する分子マーカーセットを用いた胎児機能検査法の臨床的意義を明らかにする。
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Causes of Carryover |
マイクロアレイ解析は高額なので研究計画の確実性を高めるために、平成29年度は現有の羊水、羊膜ならびに胎児血におけるマイクロアレイ解析データを用いて羊水、羊膜ならびに胎児特異的mRNA/microRNAをスクリーニングしうるのか確認した。しかし、これらは、由来の異なる羊水、羊膜ならびに胎児血である。より正確なデータを取得するためには、受精胚の由来が同じ羊水、羊膜ならびに胎児血を比較する必要があるが、期間内に当初予定していた新規のマイクロアレイ解析を行うことができなかったので、次年度使用額が生じた。平成30年度は予定通り、受精胚の由来が同じ羊水、羊膜ならびに胎児血を用いて、新規のマイクロアレイパネルを用いた網羅的解析ならびにRT-PCR解析を用いた確認実験を行う。したがって、新規のマイクロアレイパネルを用いた網羅的解析ならびにRT-PCR解析に使用する試薬類と消耗品を購入するため、当初の計画通り適正に研究費は使用される。
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