2017 Fiscal Year Research-status Report
早産児脳傷害への先制医療を目指した、ヒト羊水幹細胞分離・培養・調整技術の最適化
Project/Area Number |
17K16307
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
秋葉 洋平 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80645812)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再生医療 / 早産 / 脳障害 / 感染 / 幹細胞 / 羊水 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、早産脳障害モデルマウス(生後 3-11 日目の期間、約 10%の低酸素環境下で飼育するNeonatal chronic hypoxia model: CH model)を一旦確立したが、実験環境の変化によりCHモデルの再現性が取れなくなったため、別な早産脳障害モデルマウスの確立を余儀なくされた。このため、本年度は早産脳障害モデル動物作成を行った。 早産脳障害は、子宮内炎症に起因する新生児期の炎症がその根本的な原因であるため、動物モデルではリポ多糖(Lipopolysaccharide; LPS)、ウイルス、細菌などの感染源を動物に投与するモデルが報告されているが(Dean et al. Dev Neurosci. 2015)、我々はLPS投与モデルを作成することにした。具体的には、LPSを生後3-4日目のラットに投与するモデル、(2)生後3-4日目のラットにLPSに投与し、その後、片側頸動脈結紮と低酸素負荷を行う、の2つの早産脳障害動物モデル作成を行った。 また、ヒト羊水幹細胞(Human amniotic fluid stem cell: hAFS)の事前調整法として、骨髄幹細胞など他の間葉系幹細胞で報告のある、低酸素培養とスフェロイド培養がhAFSでも再現可能か否かについて検討した。その結果、hAFSは低酸素培養やスフェロイドを行うことにより、通常酸素濃度の単層培養と比較し、ESマーカーや抗炎症性サイトカイン等の発現が変化することを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験環境の変化により、一旦、確立された早産脳障害モデルマウス(生後 3-11 日目の期間、約 10%の低酸素環境下で飼育するNeonatal chronic hypoxia model: CH model)の再現性が取れなくなり、別な早産脳障害モデルマウスの確立を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度得られた成果をもとに、(1)リポ多糖(Lipopolysaccharide; LPS)投与、または、(2)LPS負荷後に片側頸動脈結紮と低酸素負荷を行う、の2つの早産脳障害動物モデルを作成し、ヒト羊水幹細胞(hAFS)の治療効果の検討を行う計画である。さらに、低酸素培養やスフェア培養によりhAFSの治療効果が増強するか否かを検討する計画である。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] Cover Image, Volume 176A, Number 1, January 2018.2018
Author(s)
Ikenoue S, Miyakoshi K, Ishii T, Sato Y, Otani T, Akiba Y, Kasuga Y, Ochiai D, Matsumoto T, Ichihashi Y, Matsuzaki Y, Tachikawa K, Michigami T, Nishimura G, Ikeda K, Hasegawa T, Tanaka M
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Journal Title
American journal of medical genetics. Part A
Volume: 176
Pages: 1
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Discordant fetal phenotype of hypophosphatasia in two siblings.2018
Author(s)
Ikenoue S, Miyakoshi K, Ishii T, Sato Y, Otani T, Akiba Y, Kasuga Y, Ochiai D, Matsumoto T, Ichihashi Y, Matsuzaki Y, Tachikawa K, Michigami T, Nishimura G, Ikeda K, Hasegawa T, Tanaka M
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Journal Title
American journal of medical genetics. Part A
Volume: 176
Pages: 171-174
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 子宮動脈塞栓術が奏効した帝王切開瘢痕部妊娠の1例2017
Author(s)
荘 慎太郎, 松本 直, 佐藤 佑, 大谷 利光, 秋葉 洋平, 春日 義史, 池ノ上 学, 落合 大吾, 宮越 敬, 田中 守, 青木 大輔
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Journal Title
東京産科婦人科学会会誌
Volume: 66
Pages: 647-651
Peer Reviewed
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[Journal Article] 妊娠糖尿病における血糖自己測定保険適用に関する後方視的検討2017
Author(s)
佐藤 佑, 春日 義史, 宮越 敬, 秋葉 洋平, 大谷 利光, 福武 麻里絵, 池ノ上 学, 落合 大吾, 松本 直, 税所 芳史, 田中 守
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Journal Title
糖尿病と妊娠
Volume: 17
Pages: S47-S48
Peer Reviewed
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[Journal Article] 供血児に頭蓋内出血および腎機能障害を発症し新生児死亡に至ったacute peripartum TTTSの1例2017
Author(s)
遠藤 豊英, 松本 直, 大谷 利光, 秋葉 洋平, 春日 義史, 池ノ上 学, 有光 威志, 落合 大吾, 松崎 陽平, 宮越 敬, 池田 一成, 田中 守
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Journal Title
日本周産期・新生児医学会雑誌
Volume: 53
Pages: 244-248
Peer Reviewed
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[Journal Article] Mid-trimester residual cervical length and the risk of preterm birth in pregnancies after abdominal radical trachelectomy: a retrospective analysis.2017
Author(s)
Kasuga Y, Miyakoshi K, Nishio H, Akiba Y, Otani T, Fukutake M, Ikenoue S, Ochiai D, Matsumoto T, Tanaka K, Minegishi K, Kuji N, Roberts R, Aoki D, Tanaka M.
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Journal Title
BJOG
Volume: 124
Pages: 1729-1735
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 胎児画像所見から先天性クロール下痢症を疑い、羊水電解質検査を施行した1例2017
Author(s)
大谷 利光, 落合 大吾, 佐藤 佑, 久保 雄一, 秋葉 洋平, 原 香織, 池ノ上 学, 春日 義史, 有光 威志, 松崎 陽平, 松本 直, 宮越 敬, 池田 一成, 田中 守
Organizer
日本周産期・新生児医学会
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[Presentation] 胎児期に卵巣嚢腫との鑑別に苦慮した総排泄腔遺残症の1例2017
Author(s)
長谷川 慶太, 佐藤 佑, 宮越 敬, 春日 義史, 山田 洋平, 松崎 陽平, 秋葉 洋平, 大谷 利光, 落合 大吾, 松本 直, 池田 一成, 黒田 達夫, 田中 守
Organizer
日本周産期・新生児医学会
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[Presentation] 臨床像の異なった低ホスファターゼ症の同胞例2017
Author(s)
池ノ上 学, 宮越 敬, 佐藤 佑, 大谷 利光, 秋葉 洋平, 春日 義史, 落合 大吾, 松本 直, 松崎 陽平, 池田 一成, 長谷川 奉延, 田中 守
Organizer
日本周産期・新生児医学会
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