2019 Fiscal Year Research-status Report
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17K16314
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
七種 護 久留米大学, 医学部, 助教 (60750833)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 頭部超音波検査 / 頭部MRI検査 / 脳微細構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイリスク新生児の生存率向上とは対照的に、遠隔期には高率に高次脳機能障害を発症することが知られている。これには周産期及び新生児期の様々な因子が関係していることが予想されている。頭部超音波検査で生理的・病的発育を経時的に観察することができれば、遠隔期の高次脳機能障害に直結する受傷起点や治療環境を同定することができると予想される。当院新生児センターでは33週未満の早産児や低酸素性虚血性脳症の児などのハイリスク新生児に対して、退院前の頭部MRI検査で予後予測を行っている。 頭部超音波検査で得られた画像の経時的変化を記録し、頭部超音波検査画像と退院前の頭部MRI検査画像と比較検討することで受傷起点や神経学的予後に直結する微細構造変化を同定することを目的とした。 本研究を実施するにあたり久留米大学倫理委員会の承認を得るとともに倫理委員会のホームページ上に公開した。平成29年度から令和1年度までに48名の頭部超音波画像と頭部MRI画像を撮影した。在胎週数やApgarスコア、臍帯血液ガス分析などの出生時の状況や人工呼吸器管理の有無、ステロイド投与や循環作動薬の有無などの治療介入の有無などを記録したデータベースを作成した。 超音波検査は当院既存のフィリップ社製超音波装置を用い、脳画像の描出には8MHzおよび15MHzの高周波探触子を用いた。頭部MRI検査装置についてはGE社製3Tsの検査装置を引き続き使用し経時的な超音波画像と頭部MRI画像から部位別の経時的変化を収集・記録を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた症例数よりも少数となっている。撮影した頭部超音波画像における脳微細構造変化を客観性をもって定量化する方法の検討や得られた頭部超音波画像と頭部MRI検査での部位別の比較について時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き早産児や低酸素性虚血性脳症などのハイリスク児を中心に頭部超音波画像の収集を行う。新規対象者の登録は令和2年度の8月までとし、以降は記録した頭部超音波画像と頭部MRI画像の解剖学的照合と臨床的イベントによる構造変化の推定を行う予定としている。また対象者の背景や症状、治療介入の有無などの臨床因子と脳構造、臨床的予後との関係性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
学会参加による旅費として使用予定であったが、コロナウイルス流行により学会が中止となったため旅費申請を行わなかった。またデータ保存用の外付けハードディスクを購入予定であったが既存のものを使用することができたため購入費用の支出がなかった。そのため残額が生じ、残額を筆記用具、文献管理ソフトの購入や論文掲載料等に使用する予定である。
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