2018 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics of epithelial stem cells upon wounding
Project/Area Number |
17K16317
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
夏賀 健 北海道大学, 大学病院, 講師 (70645457)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 表皮 / 毛包 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的な実験動物に対する創傷治癒実験よりも、規模が微小な創傷の治癒過程を観察することで、より詳細な創傷の再上皮化までのプロセスを解析している。2年目は初年度に行った組織学的な解析をさらに詳細に行った。野生型マウス(C57BL/6)新生仔背部皮膚に対する微小創傷では、K6・K17に代表されるストレス誘発性ケラチンの発現が上昇していた。創傷治癒過程の経時的な評価を行ったところ、創傷作成後1日後にアルファ5インテグリン陽性の遊走する上皮細胞が、創傷辺縁とともに創床に残存する毛包の上部に散在していた。同様に、BrdUで標識された増殖期の上皮細胞は、創傷辺縁部の表皮、創床の毛包、また創傷周辺の毛包に集中して認められた。Lrig1-CreERマウス(Jackson laboratoryから入手)とR26R-H2B-mCherry(RIKEN CLSTから入手)の交配によって作出されるLrig1-CreERT;R26R-H2B-mCherryマウスへタモキシフェンを投与して、Creリコンビナーゼの誘導から毛包上部幹細胞の細胞系譜を確認した。このマウスに対する微小創傷で、毛包上部幹細胞の娘細胞の再上皮化への寄与が明らかとなった。同様にK15-CrePGR(Jackson laboratoryから入手)とR26R-H2B-mCherryの交配によって作出されるK15-CrePGR;R26R-H2B-mCherryマウスによって毛包バルジ幹細胞の細胞系譜を可視化した。このマウスへの微小創傷では再上皮化部位に毛包バルジ幹細胞の娘細胞は見られなかった。初年度に、毛包間表皮幹細胞の細胞系譜としてK14-CreER;R26R-H2B-mCherryマウスの微小創傷を観察し、毛包間表皮の上皮化への寄与が少なかったことと合わせると、微小創傷では毛包上部の幹細胞の娘細胞が再上皮化を担うことが明らかとなった。
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Research Products
(15 results)