2017 Fiscal Year Research-status Report
尋常性白斑の治療への応用をモデルとしたMuse細胞再生医療応用可能性の検討
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17K16319
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土山 健一郎 東北大学, 大学病院, 助教 (50711743)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / メラノサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、Muse細胞から分化誘導した色素細胞が再構成皮膚内でもメラニンを産生し、それを角化細胞へと移譲できるかどうかを検討した。私は、これまでの検討で、Muse細胞より色素細胞、角化細胞、線維芽細胞が分化誘導可能であることを確認している。これらの細胞を用いて3次元再構成皮膚を作成した。作成後に3次元再構成皮膚を目視で確認したところ、黒色の斑点が観察できた。これはヒト色素細胞を含んだ再構成皮膚と比較しても、同程度の色素であった。また、Muse細胞由来色素細胞を含む再構成皮膚を薄切し、免疫蛍光染色で色素細胞関連タンパク質を染色した結果、表皮基底層にてtyrosinase陽性細胞が確認できた。また、Gp100で蛍光免疫染色したところ、melanosomeが色素細胞外にて陽性箇所が存在することが分かった。すなわち、Muse細胞由来色素細胞は細胞外へmelanosomeを放出していることが分かった。 また、Muse細胞を遊走させる因子についても検討を行った。我々の研究で、3次元再構成皮膚の真皮へMuse細胞またはMuse細胞由来色素細胞を移入しても、これらの細胞は表皮基底層へ移動し、基底層に定住することが分かっている(Tsuchiyama et al., JID, 2013, 133, 2425-2435)。そこで、今回我々は、Muse細胞を誘導させるタンパク質またはケモカインを特定するための実験を行った。分化誘導前のMuse細胞を用いて、boyden chamber assay法により検討を行った。タンパク質はWnt3aとケモカイン(SDF-1α、RANTESなど)8種類を用いて行った。その結果、Muse細胞はSDF-1αとRANTESにて有意に細胞遊走が確認された。この結果から、Muse細胞はケモカインにより遊走されることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Muse細胞由来のケラチノサイト、ファイブロブラスト、メラノサイトを用いて、3次元構成皮膚を作成することに成功した。その皮膚において、Muse細胞由来色素細胞はメラニンを産生し、周囲のMuse由来ケラチノサイトに移譲していることも確認した。また、Muse細胞の遊走因子を特定するための実験では、Muse細胞はSDF-1αとRANTESにて有意に細胞遊走が促進されることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、効率の良いMuse細胞の単離の方法や、分化誘導の方法の検討を行う。また、脂肪幹細胞におけるMuse細胞のマーカーであるSSEA-3の発現率を増減する方法の検討や、Muse細胞の年齢や性別による個人差の有無についてなども検討する
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Causes of Carryover |
予定よりも旅費がかからなかったため
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