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2017 Fiscal Year Research-status Report

イミキモド誘導性乾癬モデルマウスにおける抗原特異的制御性B細胞の役割

Research Project

Project/Area Number 17K16325
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

吉崎 麻子  東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00530411)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords乾癬 / 制御性B細胞 / 皮膚科学 / 炎症学 / 皮膚免疫
Outline of Annual Research Achievements

乾癬は全身性の炎症を背景に皮疹を呈する、慢性の炎症性皮膚疾患である。発症には自己免疫の関与が示唆されており、皮疹のみならず、関節炎やぶどう膜炎を合併する。このため、患者のQOLは大きく障害されており、病態解明と副作用の少ない新規治療法の開発が急務である。B細胞は自己抗体を産生することによって自己免疫に関与していると考えられてきたが、最近、その他にも様々な機能を有しており、自己免疫において中心的な役割を担っていることが分かってきた(図1)。研究代表者が所属するグループをはじめとして、多くの研究者らによって、一部のB細胞群はインターロイキン10(IL-10)を産生することにより炎症反応を制御することが明らかとされ、特に注目を集めている。制御性B細胞と名付けられたこの細胞群は、乾癬においても疾患抑制作用を示すことが報告されているが、その詳しい機序は依然として不明である。本研究の目的は、臨床検体と動物モデルを用いて乾癬における制御性B細胞の役割を明らかとし、新規治療法の開発へ結び付けることである。
難治性皮膚疾患である乾癬に対する治療法は未だ確立していないため、乾癬の新たな病態理解に基づく副作用の少ない新規治療法の開発は、患者や患者の家族のみならず、医療関係者からも切に望まれている。本研究の目的は乾癬のマウスモデルであるイミキモド誘導性乾癬の病態形成と進行における自己抗原特異的制御性B細胞の役割を明らかにし、新規治療法の開発に結びつけることである。このため、本研究ではマウスを用いてイミキモド誘導性乾癬モデルを作成し、制御性B細胞を乾癬モデルに養子移入した後に、炎症の重症度を評価している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

本研究ではイミキモドをマウスに塗布することで乾癬を発症させ、皮疹の重症度を評価する。さらに、皮膚への好中球、リンパ球、マクロファージなどの炎症細胞浸潤を検討した。また、脾臓、所属リンパ節における各種サイトカインの発現や制御性B細胞の増減を評価することによって、B細胞および制御性B細胞が乾癬に関与しているかどうかを解析する。また、皮膚、脾臓、表在リンパ節における各種サイトカインの発現や、IL-10産生制御性B細胞の増減を解析することによって、サイトカインおよび制御性B細胞が乾癬に関与しているかを解析する。さらには、野生モデルマウスから得られた制御性B細胞を乾癬モデルマウスに養子移入することにより、皮疹の重症度、炎症細胞浸潤数、サイトカイン発現量を比較する。本年度の進捗状況は以下の通りである。
1)イミキモド誘導乾癬モデルマウスの作成と皮疹の重症度の評価; マウスの背部を剃毛し、5%イミキモド含有クリームを背部皮膚に塗布した。コントロール群には同量のワセリンを塗布した。これを6日間連日で施行した。皮疹の重症度は、紅斑、鱗屑、皮膚肥厚の3項目について0 (なし)、1(軽度)、2(中等度)、3(高度)、4(重度)の5段階で評価した。2) 乾癬の組織学的評価; 乾癬誘導7日後に4ミリデルマパンチを用いて背部皮膚を採取し、3.5%パラホルムアルデヒド固定後、パラフィン包埋し、6μm切片をヘマトキシリン&エオジン染色し、病理組織学的に比較した。3) 免疫組織学的解析; 皮膚および肺に浸潤してきた炎症細胞数を測定するために免疫組織学的解析を行った。T細胞およびマクロファージの浸潤細胞数を測定した。

Strategy for Future Research Activity

引き続き以下の検討を行う予定である。1)Real-time PCRによるサイトカインのmRNA発現の定量的解析; 乾癬誘導前、乾癬誘導7日後の患部皮膚、脾臓、所属リンパ節におけるサイトカインのmRNA発現をreal-time PCR法にて定量的に測定する。2)細胞内IL-10染色によるIL-10産生制御性B細胞の解析; 乾癬誘導前、乾癬誘導7日後の患部皮膚、脾臓、所属リンパ節におけるIL-10産生制御性B細胞数を、フローサイトメーターを用いた細胞内サイトカイン染色により評価する。3)細胞内サイトカイン染色によるサイトカイン産生T細胞の解析; 乾癬誘導後の脾臓、表在リンパ節から細胞を単離し、CD4+ T細胞、CD8+ T細胞のIL-17A、IL-4およびIFN-gの産生を、細胞内サイトカイン染色により評価し、B細胞の乾癬におけるT細胞のサイトカインプロファイルへの影響を検討する。4)制御性B細胞の養子移入実験; 野生型マウスおよびAID欠損マウスの脾臓からCD1dhiCD5+細胞を制御性B細胞として、セルソーターで抽出する。得られた制御性B細胞をイミキモド塗布前日のマウスに尾静脈から養子移入を行う。また、乾癬誘導後のマウス脾臓から抽出された制御性B細胞を用いて、同様の養子移入を行う。さらに制御性B細胞を乾癬発症後期のマウスにも養子移入し、病態の完成した乾癬に対する影響も検討する。
本研究では乾癬における、制御性B細胞と抗原特異性を検討する予定であり、このような報告はこれまで全くなく、極めて独創性の高い研究といえる。抗原特異的制御性B細胞は抗原特異的に作用することで、免疫抑制作用を強める。さらには乾癬において、難治化の原因として制御性B細胞の機能不全が存在する可能性を考える場合においても本研究は重要である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] Single cell analysis revealed that responses to therapy is regulated by B cells in systemic sclerosis-associated interstitial lung disease2017

    • Author(s)
      Satoshi Ebata, Ayumi Yoshizaki, Takemichi Fukasawa, Kouki Nakamura, Takashi Yamashita, Shunsuke Miura, Ryosuke Saigusa, Megumi Hirabayashi, Asako Yoshizaki, Kaname Akamata, Yoshihide Asano, Yutaka Kazoe, Kazuma Mawatari, Takehiko Kitamori, Shinichi Sato
    • Organizer
      The 42nd Annual Meeting of the Japanese Society for Investigative Dermatology
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2018-12-17  

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