2018 Fiscal Year Research-status Report
抗線維化作用を有する新規化合物を用いた強皮症の治療開発
Project/Area Number |
17K16333
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
小泉 遼 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (10792088)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | HPH-15 / ブレオマイシン / 強皮症 / マウスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
全身性強皮症において抗線維化作用を有する新規化合物HPH-15の効果についてin vivo、in vitroにおいて検討した。HPH-15は、2,6-ピリジンジカルボン酸とStert-ブチルシステアミンを反応させて得られるアミド化合物のカルボニル基部分をLawesson 試薬でチオアミドに変換して得られる、分子量429.72 の安定性の高い新規化合物である。ブレオマイシン誘導強皮症モデルマウスにおいて、HPH-15を28日間投与し真皮コラーゲン繊維の増殖抑制が見られたことを確認した。また、培養細胞を用いたスクラッチアッセイとウエスタンブロッティングでin vitroでの抗線維化作用を確認した。マウスの背部にブレオマイシンを皮下注射することで線維化を誘導したブレオマイシン誘導性強皮症モデルマウスにおいては連日HPH-15を内服させ、コントロール群に比して優位な皮膚厚の軽減がみられた。今後は、適切な濃度や毒性の評価(体重の変動など)について今後検討していく方針である。
またin vitroでは、ウエスタンブロッティングでcola1α2の発現を濃度依存性に抑制した。その他fibronectineについても発現を抑制することを検証した。これらの研究結果からはHPH-15には抗線維化作用があることがin vivo、in vitroのいずれにおいても示唆された。
今後、毒性の評価や作用機序についてさらなる検討をin vivo、in vitroの両面において行い、全身性強皮症の新規治療薬の開発へつなげていくことを目標とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vitro、in vivo共に検証ができ、学会発表への準備を考慮する段階まで進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
特にin vivoでの毒性の評価などを、より詳細に検討していく。
|