2019 Fiscal Year Annual Research Report
Impaired function of extracellular matrix 1 alters the fibrogenic and carcinogenic properties: implications of underlying mechanisms for the pathogenesis of lichen sclerosus
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17K16334
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宇都宮 夏子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (50792090)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 皮膚診断学 |
Outline of Annual Research Achievements |
硬化性苔癬は後天性に生じる難治性炎症性皮膚疾患であり、その病態に細胞外基質extracellular matrix protein 1 (ECM1)に対する免疫異常の関与が指摘された。しかしながら、この病態特性を活かした分子レベルでの診断・治療法の開発は、他の自己免疫性疾患に比べて大きく立ち遅れている。本研究では、ECM1ノックダウン培養ヒト線維芽細胞を用いて、患者血清中に存在する抗ECM1抗体の病的意義を解明することを目的とした。 まず、福井大学附属病院で硬化性苔癬専門外来を立ち上げ、硬化性苔癬専門外来での診療と並行し、共焦点レーザー顕微鏡下での免疫染色で、患者病変部皮膚における特定のヘミデスモソーム抗原が発現異常を示すことを見出した。 臨床に直結する研究の一環として、抗体価が低いため一般的な蛍光抗体間接法では同定が困難な血清中抗ECM1抗体をより簡便に同定する手法や、ECM1の主たる抗原エピトープを担うCOOH側のリコンビナント蛋白を分割作製し、患者血清との反応性を検討するプロジェクトも既に軌道に乗り始めている。これに加え、ECM1をノックダウンした培養ヒト線維芽細胞における遺伝子発現をマイクロアレイを用いて網羅的に解析し、線維化や発癌に重要な間葉-上皮転換に関わる遺伝子群の発現異常が生じていることを突き止めた。ECM1ノックダウン培養ヒト線維芽細胞を用いてmigration assayを行うことで、ECM1をノックダウンすると遊走能が低下することも明らかにした。
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