2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the contraction mechanisms of human sweat gland in sweating - Improvement the visualization of live sweat gland and Analysis by using visualization system-
Project/Area Number |
17K16337
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 輝恵 大阪大学, 薬学研究科, 特任研究員(常勤) (60768670)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 発汗 / イメージング / 汗腺 / 収縮メカニズム |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢化に伴い、老化からおこる発汗機能の低下による熱中症患者の増加が社会問題になっている。そこで、発汗機能の改善を目指し、発汗時の汗腺の収縮機構を明らかにすることにした。汗腺は単一管状腺であり真皮深部において複雑なコイル構造を形成する。コイル構造は導管と分泌管から構成され、分泌管は収縮性のある筋上皮細胞に囲まれている。しかし、筋上皮細胞の動態をはじめ、汗腺の動態は明らかになっていない。そこで、本研究では、3次元でのヒトエクリン汗腺のライブ観察法の確立とその観察法を用いた汗腺の動態解明を目的とした。 平成29年度はヒト汗腺の3次元高解像度ライブ観察法の確立を目指した。新鮮なヒト皮膚標組織からエクリン汗腺を摘出し、アクチンもしくは、細胞膜と核を同時に生体染色し、共焦点顕微鏡を用いて経時観察を行った。神経伝達物質であるアセチルコリンを薬理学的に添加することで収縮を誘導し、エクリン汗腺の収縮動態を観察することに成功した。核を標識することで核の位置情報の変化から、収縮を定量化し、アセチルコリンの濃度依存的に収縮(核の位置変化)は大きくなることを確認した。さらに、細胞膜を標識することで、エクリン汗腺の外観の構造変化だけでなく、管内側の変化をとらえることに成功した。 平成30年度は汗腺の可視化技術向上のために遺伝子導入による汗腺の可視化法の確立を目指したが取り出したヒト汗腺に遺伝子導入することはできなかった。そこで引き続き、薬理学的に汗腺の収縮メカニズムを探索した。発汗時の神経伝達を薬理学的に模倣したところ、筋上皮細胞に覆われている分泌管部分が薬剤添加直後に収縮するのに対し、筋上皮細胞に囲まれていない導管部分において収縮は起こらず、遅れて導管内の体積が大きくなった。このことは、分泌管において筋上皮細胞はコリン作動性で管の収縮を引き起こすことで導管部分まで、汗が運んでいることを示唆している。
|