2017 Fiscal Year Research-status Report
サンダルウッドオイルによる皮膚の嗅覚受容体を介した炎症制御機構の検討
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17K16338
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
越智 沙織 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (00597495)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 皮膚 / 嗅覚受容体 / 炎症応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
培養ケラチノサイトにサンダルウッドオイルを添加後24時間で、コルチゾール再活性化酵素(11β-HSD1)の発現がRT-PCRにより増強した。つぎに培養ケラチノサイトにサンダルウッドオイルを添加後1時間あるいは24時間で、IL-1β、IL-8、TNFαなどの炎症性サイトカインの発現がRT-PCRにより増強した。また、培養ケラチノサイトにサンダルウッドオイル添加24時間後に嗅覚受容体(OR2AT4)の発現は免疫染色にて増強傾向を認めた。培養ケラチノサイトにLPSやTNBSで刺激すると、IL-1β、IL-8、TNFαなどの炎症性サイトカインの発現が増強する。培養ケラチノサイトにLPSやTNBSで刺激し、サンダルウッドオイルを添加すると、RT-PCRで炎症性サイトカインを減弱させる傾向であった。siRNAで嗅覚受容体(OR2AT4)をノックダウンさせ、サンダルウッドオイルを添加すると、炎症性サイトカインのIL-8の発現はRT-PCRで減弱した。よってサンダルウッドオイルは培養ケラチノサイトで、嗅覚受容体OR2AT4は活性化させ、IL-8などの炎症性サイトカインの発現を増強させることが明らかになった。今後は嗅覚受容体とコルチゾール再活性化酵素(11β-HSD1)のかかわりを明らかにしたい。 次にマウスを用いて、マウスの背部にTNCB外用し、刺激皮膚炎を生じさせ、サンダルウッドオイルを外用し、炎症応答を検討した。TNCBによって発現が増強したCXCL1はサンダルウッドオイル外用で抑制した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
嗅覚受容体の発現をRT-PCRや、Western blottingでうまくワークできないので、実験を繰り返している。
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Strategy for Future Research Activity |
サンダルウッドオイルによる他の嗅覚受容体の活性化も含めて検討する。また、サンダルウッドオイルによる嗅覚受容体とコルチゾール活性化酵素のかかわりを明らかにする。
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Causes of Carryover |
実験が思うようにすすまなかったうえ、マウス実験は飼育しながら交配させたため、次年度に使用額が生じた。マウスの実験や嗅覚受容体の解析などをすすめる。
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