2018 Fiscal Year Research-status Report
尋常性乾癬に対するEGFR阻害薬を用いた新規外用療法の開発
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17K16355
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
高間 寛之 愛知医科大学, 医学部, 講師 (80780965)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | EGFR / 乾癬 / ケラチノサイト / 尋常性乾癬 |
Outline of Annual Research Achievements |
乾癬のモデル細胞系として報告されているSTAT-3高発現ケラチノサイト細胞系において、EGFRIを添加し、表皮の増殖速度の評価を行う予定であった。また乾癬のモデル細胞系として報告されているSTAT-3高発現ケラチノサイト細胞系で立体培養を行う予定であった。どちらも有用なデータを出す事はできなかった。 そのため研究計画を変更し、臨床検体や診療情報を用いた研究を行った。薬剤誘発性水疱性類天疱瘡において、Epitope Spreadingが起こることをELISAの結果を用いて示した。Granulomatous pigmented purpuric dermatosisにおいて、アクネ菌の存在が証明された症例を報告した。Transglutaminaseの発現を低下させたケラチノサイトの立体培養細胞において、分化の違いを電子顕微鏡下に観察した。Indeterminate cell tumorの電子顕微鏡下の観察を行い、バーベック顆粒が存在しないことを示した。また、爪乾癬や関節症性乾癬を合併した掌蹠膿疱症患者において、アプレミラストの臨床効果を後ろ向きに検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画を変更したが、結果として論文報告を複数行うことができ、全体としておおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き関連疾患の論文報告を随時行っていく予定である。 また、動物実験に関しては、実験計画に余裕が出れば下記の内容を行う。 ヌードマウスの背部表皮にimiquimodによる刺激を行い、乾癬様皮疹を誘発する。誘発された皮疹において、EGFRIの外用剤を塗布したグループで、より早く皮疹が軽快するかどうかを評価する。立体培養キットを用い、シート上で生体に近い三次元培養を行う。表皮バリアを超えて薬剤が浸透するかどうか確認する。また、皮疹部皮膚で炎症性分子のmRNAや蛋白の発現を評価し、炎症に対し抑制的に働いているかどうかを確認する。invivoでEGFRIが乾癬に対し抑制的に働く事を確認する目的で行う。次に、ヌードマウスの全身にimiquimod外用、全身性の乾癬様皮疹を誘発した上で、全身にEGFRIを外用した群としない群の、血清中のサイトカイン量を比較する。乾癬における全身性の炎症亢進状態に対しても、EGFRIが抑制的に働くかどうかを評価する。
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Causes of Carryover |
実験計画の遅延、変更により、動物実験を中止、もしくは延期することとなったため。
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