2018 Fiscal Year Research-status Report
粘膜類天疱瘡患者血中抗ラミニン332抗体のエピトープ解析
Project/Area Number |
17K16357
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
古賀 浩嗣 久留米大学, 医学部, 講師 (40461412)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ラミニン332 / エピトープ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ラミニン332のβ3鎖とVII型コラーゲンが結合しているという既知の研究結果から、ラミニン332抗体(特にβ3鎖抗体)が陽性の粘膜類天疱瘡患者では、この結合部位に対する自己抗体が存在しており、競合的に結合することで蛋白同士の結合を阻害し、皮膚および粘膜の接着障害をきたすのではないかという仮設を立て、その検証を行う。 まず、既知の報告でVII型コラーゲンとの結合部位とされているラミニンβ3鎖のLE domain (EGF-like domain)、またはそのフラグメントと、VII型コラーゲンとの結合をみる実験を行うために、ヒトラミニンβ3鎖全長、LE domain全長、そのフラグメント(LE domainを3分割)の組み換え蛋白を哺乳細胞株で発現させ、目的蛋白の発現があることをウエスタンブロットで確認した。 次に以前より保有している大腸菌発現のVII型コラーゲン組み換え蛋白を用いて、上記蛋白との免疫沈降法を行ったが、過去の報告からは結合することが予想されるラミニンβ3鎖全長、LE domain全長組み換え蛋白も、VII型コラーゲンとの結合を確認することができなかった。表皮角化細胞培養上清中のVII型コラーゲンをVII型コラーゲン抗体を用い精製して使用することを検討したが、発現量が少ないためか十分に精製する事ができなかった。 そのため、VII型コラーゲン組み換え蛋白を哺乳細胞株発現へ切り替えることとし、現在プラスミド作製を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初予定していた研究計画が他のグループによって既に報告されたことにより、研究計画の変更を行う必要があった。新たな研究計画に沿って組み換え蛋白作製を行ったが、追加で組み換え蛋白の作製が必要となり、当初の予定よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
必要な組み換え蛋白の作製を行い、蛋白の結合を免疫沈降法で評価する。その後に更にエピトープを絞り込むために合成ペプチドを用いたELISA法を行う予定である。
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Causes of Carryover |
前述のように、当初の計画より実験の進行が遅れており、それに伴い助成金対象期間の延長を申請した。繰越し使用額は組み換え蛋白の作製、合成ペプチドの作製等に使用する。
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