2017 Fiscal Year Research-status Report
発汗異常症に続発する皮膚アレルギー疾患のメカニズムの解明
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17K16362
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Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
宗次 太吉 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 皮膚科学, 助教 (90613555)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 皮膚免疫学 / 発汗異常 / 病態学 / アレルギー / アセチルコリン受容体 / 汗腺幹細胞 / 無汗症 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.汗腺幹細胞の分離、汗腺分泌部でのアセチルコリン(Ach)受容体の発現及び細胞内内在化、細胞内カルシウム濃度の上昇について:汗腺自体の分離と汗腺幹細胞の同定については完了した。また、汗腺でのAch受容体の同定も完了している。シェーグレン症候群ではAch受容体の内在化が外分泌機能障害の原因であることが指摘されているため、無汗症患者においても共焦点顕微鏡や超解像顕微鏡を用いてAch受容体の細胞内内在化について可視化を行っている。さらに機能面においてもAch受容体の内在化によって、シグナル伝達や細胞内Caの上昇に影響を与えるか細胞内蛍光プローブを用いて検討中である。 2.無汗症患者での汗腺分泌部での幹細胞性の維持について:昨年までに、無汗症患者での汗腺分泌部での幹細胞性の維持について、蛍光免疫染色により検討したところ無汗症患者では汗腺特異的幹細胞数の減少認めた。現在は無汗症患者の罹病期間と汗腺幹細胞の関係や、 ステロイドパルス療法が無効である患者の汗腺幹細胞の残存、治療前後の幹細胞数について検討を進めている。 3.無汗症に対する自己抗体の推定:ヒトのアセチルコリンM3受容体(M3R)の全長をクローニングし、発現ベクターへの組み込み、確認作業を行っている。 4.部位特異的免疫機構の解析:汗腺の周囲に浸潤するランゲルハンス細胞やDCやT細胞(Treg)、抗菌ペプチド(human-βdefensin, LL-37, dermocidin)の発現を免疫組織化学染色にて検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数の実験計画を同時進行で進めている。実験中に新たな課題を生じることもあるが、予定していた課題は概ねクリアしている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に大きな変更はなく、年次計画の通り進めていく方針である。
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Causes of Carryover |
備品や試薬等はほとんどが、すでにあるものを使用したため、所要額が低くなった。来年度においても必要最低限の支出に抑える予定であるが、抗体や培養関連用品の購入のため費用がかかる見込みである。
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Research Products
(11 results)