2018 Fiscal Year Research-status Report
機械学習を用いた脳波の解析によるバイオマーカーの開発
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17K16365
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳田 慶太 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (50762176)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳波 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、機械学習を用いて脳波を解析することにより、これまでに知られていない精神疾患患者の脳波の特徴を抽出することである。具体的には、医師の診断結果が紐付いた患者および健常者の脳波を教師学習データとして機械学習を行うことにより、被験者と精神疾患患者の脳波の違いを抽出することを狙っている。それにより、高精度の診断・治療効果の評価、病態進行の個別予想、脳波を用いたバイオフィードバックなどによる治療法の開発、疾患動物モデルの開発・評価による創薬の効率化、疾患の基礎的な神経生理学的・病理学的な理解などの実現につながり得る発見を目指すものである。本研究ではこれまでに、精神疾患の患者の脳波を有意に弁別するシステムを構築することに成功し、さらにはこのシステムを用いて計算される統計量の揺らぎがAt risk mental stateにおいて大きくなることを見出した。前者は機械学習を用いた高精度・客観的な診断の可能性を示唆しており、また後者は病態の過渡的なステージを統計量の揺らぎを通して特徴づけるということができることを示唆している。現在、機械学習アルゴリズムの比較・検討を進め、脳波のどのような特徴量が重要かを特定をする検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでに、精神疾患の患者の脳波を有意に弁別するシステムを構築することに成功し、またこのシステムを用いて計算される統計量の揺らぎがAt risk mental stateにおいて大きくなることを見出した。この統計量に対応するデータ空間における特徴の同定を進めているが、これを進めるにあたり複数の機械学習アルゴリズムの比較や用いる正則化法の検討を当初の想定よりも時間がかかり、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初2年間の研究計画を3年間に延長した上で、引き続き機械学習の条件検討を行い、脳波のデータ空間におけるどのような特徴量が重要かを特定をする検討を進める。
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Causes of Carryover |
研究計画時点で想定したよりも計算機にかかる費用が少なく済んだため。次年度にはこれを計算機環境の構築費用や、成果の対外発表用の費用とする。
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