2017 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症患者の聴性定常反応についての多角的・縦断的研究
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17K16385
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
織部 直弥 九州大学, 医学研究院, 特別教員 (70730498)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 脳波 / 機能的MRI / ガンマオシレーション / 聴性定常反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症44名の脳波、40例の機能的MRIのデータを取得し、そのうち19名に関しては縦断的解析のため2回目の測定も終わっている。背景情報を一致させた健常者のデータの取得も進んでいる。 初回測定の横断的解析の結果、脳波においては、40ヘルツ刺激に対する聴性定常反応が統合失調症群で低下しており、これは先行研究の知見と一致するものであった。また、機能的MRIでは統合失調症群では80ヘルツ刺激に対するBOLD信号の増大が見られた。 縦断的解析は、脳波に関して予備的に行っており、2回目の測定では、依然健常者と比べると低下はしているものの、聴性定常反応の改善がみられていた。症状との関連をみると、脳波における聴性定常反応の改善が大きいものほど、幻聴症状も改善していた。 また、脳波において刺激中の自発活動としてのγ帯域皮質活動『自発γ』が統合失調症群では上昇しており、これは機能的MRIでの80Hz刺激に対するBOLD信号の増大と相関がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの取得は概ね順調に進展しており、平行して脳波、機能的MRIの解析も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
縦断的解析が研究の主目的であるため、引き続き2回目の測定をすすめていく。 また、平行して解析をすすめ、脳波、機能的MRIそれぞれでの聴性定常反応の時間的変化や、症状との関連についての検討を行っていく。
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Causes of Carryover |
被験者からのデータ取得が全て終わっておらず、解析も現時点では中途であるため、次年度使用額が生じた。 解析に必要なワークステーションの購入や、学会などでの発表を行うための旅費などに使用する予定である。
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