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2018 Fiscal Year Research-status Report

うつ病へのインターロイキン18の作用解明と新規治療戦略の模索

Research Project

Project/Area Number 17K16404
Research InstitutionHyogo Medical University

Principal Investigator

山西 恭輔  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (50626786)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsinterleukin-18 / depression / mitochondria / hippocampus / neurogenesis / learning and memory
Outline of Annual Research Achievements

IL-18欠損マウスを使用した実験を継続して行った。2018年度は2017年度に行った解析よりIL-18欠損マウスは記銘力障害や意欲低下なうつ病様行動変化を呈した。
病態・メカニズムとしてIL-18が欠損する事で海馬のミトコンドリアが変性し機能が失われ海馬機能不全から起こった可能性が1つ目に挙げられた。
2つ目に海馬における神経再生を観察したところ、未分化神経細胞が減少しているだけでなく、成熟した神経細胞もIL-18欠損下では減少している事が新しい知見として発見された。
3つ目にミトコンドリア機能不全が起こる事で本来であればエネルギー供給が正常に起こらず細胞死(アポトーシス)が誘導されるはずであるが、正常なアポトーシスは誘導されていなかった。アポトーシスを誘導する遺伝子変化を追跡したところ、アポトーシス抑制遺伝子の発現は低下しており、アポトーシスを誘導する方向へ動いている事が明らかとなったが、アポトーシスを誘導する酵素のカスパーゼ3が活性化を受けておらず、この部分に障害が発生している可能性が明らかとなった。
これらについて2018年度は組み換えIL-18を脳室内へ投与し、これらの変化が治療可能かどうかを観察した。動物実験委員会と協議の結果、組み換えIL-18は1週間に2回、2週間投与し解析を行う事となった。その結果、ミトコンドリアの変性、成熟ニューロンについては組み換えIL-18を投与しても改善が見られなかったが、未分化神経細胞は一定の改善が見られた。これらから部分的には改善が見られ、今後治療応用が可能である可能性が示唆された。
その成果について原著論文をまとめ、現在投稿中である。なお当研究の成果をまとめた内容を2017年度に発表した第113回日本精神神経学会学術総会、2018年度に発表した第114回日本精神神経学会学術総会において、2年続けて優秀発表賞を受賞した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

昨年度の報告にも挙げたとおり、当初の予定では2017年度は行動学的解析と病態の構成概念妥当性を中心に解析を行う予定であったが、計画通り実験が進行したため、2018年度の実験計画であった病態の構成概念妥当性についての分子生物学的解析についても実験、解析が終了している。
残りの計画通り、2018年度は当初の実験計画の予後妥当性を中心に組み換えIL-18の脳室内投与による治療効果判定を実験する予定であったが、トラブルなく計画通り進行し2019年度に行う予定であった得られた成果をまとめた原著論文作成も完了し、既に欧米の学術誌に投稿中である。
2019年度の計画としては、欧米の学術誌への掲載、及び得られた知見の国内、国際学会での発表をそれぞれ1回、2回予定している。加えて、研究支援者や学会発表で頂いたコメントを参考にさらに深い解析を行う予定である。

Strategy for Future Research Activity

上記記載のように当初の実験計画以上に研究は進んでおり、2019年度の計画としては、少なくとも欧米の学術誌への掲載、及び得られた知見の国内、国際学会での発表をそれぞれ1回、2回予定している。
加えて当初の計画以上に研究が進んでいるため、さらに下記の実験を可能な範囲内で行う予定である。
2019年度としては今回得られた知見を元に、海馬以外の遺伝子発現の解析、中枢神経におけるIL-18の受容体発現、IL-18の中枢神経細胞への直接的な影響について、行う予定である。

Causes of Carryover

2018年度は、動物実験にかかる費用や消耗品の費用を既に所持していたストックより使用した為、使用費用が少なかった。また研究支援者からのサポートもあり、支出を当初の計画より少なく済ませる形となった。
2019年度に動物実験維持費、系統維持費、消耗品や学会発表、英文校正などを使用する予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2018

All Presentation (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Presentation] インターロイキン18 (IL-18) の欠損状態がうつ病など精神症状発現に及ぼす影響について~免疫と精神のクロストーク~2018

    • Author(s)
      山西恭輔、土江伸誉、橋本卓也、井窪薫、澄田美保、大谷(桑原)佐知、前田誠司、李文、渡辺優子、宇和典子、早川徹、山西博道、岡村春樹、松永寿人
    • Organizer
      第114回日本精神神経学会学術総会
  • [Presentation] An investigation regarding the causal effect of interleukin-18-deficient condition on hippocampal abnormalities and depression-like behavioral changes2018

    • Author(s)
      Kyosuke Yamanishi, Nobutaka Doe, Keiichiro Mukai, Kaoru Ikubo, Takuya Hashimoto, Noriko Uwa, Miho Sumida, Haruki Okamura, and Hisato Matsunaga
    • Organizer
      WFSBP 2018 KOBE
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Histone acetylation and neurogenesis are associated with hippocampal abnormalities in interleukin-18-deficient mice.2018

    • Author(s)
      Kyosuke Yamanishi, Nobutaka Doe, Kaoru Ikubo, Miho Sumida, Sachi Kuwahara-Otani, Seishi Maeda, Yuko Watanabe, Momoko Yoshida, Wen Li, Tetsu Hayakawa, Haruki Okamura, Hiromichi Yamanishi, Hisato Matsunaga
    • Organizer
      22nd International Symposium on Molecular Medicine
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2019-12-27  

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