2019 Fiscal Year Annual Research Report
Control of radiosensitivity of cancer cells using interleukin-6 blockers
Project/Area Number |
17K16413
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
嵯峨 涼 弘前大学, 保健学研究科, 助教 (50794145)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 放射線抵抗性 / インターロイキン6 / 4-メチルウンベリフェロン |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の結果を受け、より詳細に放射線増感効果に関する検証を行った。インターロイキン(IL)-6シグナル伝達経路の不活性化剤として使用した4-メチルウンベリフェロン (4-MU)の放射線増感機序が細胞内活性酸素種(ROS)の蓄積であることが示唆されている。実際に4-MU存在下でHT1080細胞のROSの発現を測定したところ、X線照射単独よりも約3倍程度、発現上昇が認められ、さらにDNA二本鎖切断マーカーであるγH2AXについても同様に4-MU存在下で約2倍程度、発現が上昇した。この効果は、放射線抵抗性細胞株においても確認できた。4-MUはヒアルロン酸合成阻害効果を有することから、外因的にヒアルロン酸を投与し、放射線感受性およびIL-6シグナル伝達経路への影響を検討した。高分子量のヒアルロン酸と4-MUを同時に投与すると、HT1080のコロニー形成能は4-MU投与群よりも有意に上昇した。また網羅的なmRNA発現解析により明らかとなったIL-6シグナル伝達経路のうち、4-MUにより影響を受けたとみなされたIL-36α、IL-36γ、IL-37の発現も、高分子量ヒアルロン酸の存在下で有意に上昇した。したがって、4-MUのヒアルロン酸合成阻害効果がIL-6シグナル伝達経路の不活性化を誘導していることが示唆されたが、今回同定された3種の分子は、癌細胞に対する機能的役割がまだ解明されていないため、更なる調査が必要であると考えられる。
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Research Products
(2 results)